FEATURE特集
実にすばらしいアナログマスターテープから制作されたハイレゾ
『EACH TIME VOX』音質レビューの第3弾は、Blu-rayに収録されている<ハイレゾリマスタリング音源>から“EACH TIME 1984 0riginal Mix”(96kHz/24bit/2ch)である。Blu-rayは1層25ギガバイトの大容量メディア(ちなみにCDは650メガバイト)なので、このディスクにはすでにレビューした“5.1ch Surround Mix”の他、96kHz/16bit/2chで収録された“EACH TIME SINGLE BOX”、“EACH TIME Single+Rarities”、“EACH TIME Karaoke”が収録されている(映像コンテンツとして“40th Anniversary Music Video”2曲と“Original Music Video”3曲も)。『EACH TIME VOX』封入のBlu-ray(右下のディスク)
CDやDVD、Blu-rayなどに収められたPCM(Pulse Code Modulation)方式のデジタル音声は、横軸のサンプリング周波数と縦軸の量子化ビット数によって符号化される。サンプリング周波数によって定められるのは周波数特性、つまりどれくらい低い音から高い音まで収録できるか、量子化ビット数によって決まるのはダイナミックレンジ、すなわちどれくらい小さな音から大きな音まで入れられるか、である。 CDのサンプリング周波数は44.1kHz。44,100分の1秒の間隔でアナログ信号をサンプリングするという意味だ。アナログ信号に戻すことができるのは、原理的にはその半分の周波数となり、この場合22kHzということになる(実際のCDは20kHz)。また16bit(2の16乗)で量子化すると、65,536階調のダイナミックレンジ=96dBが実現できることになる。 このBlu-rayに収録されたハイレゾ音声は96kHz/24bitなので、高域再生限界はCDをはるかに上回る48kHz(人間の可聴帯域は約20kHzまでと言われているが、年齢を重ねるともっと低くなる)、ダイナミックレンジの階調数は約1677万(2の24乗)=144dBというとんでもない数字になる(人間の聴覚のダイナミックレンジは90dBと言われている)。 もっともこれはあくまで“音を入れる器の話”で、実際に録音に使われるレコーディング・イクイップメントがそのスペックを満たしているかどうかは別の話だし、世の中には、CD音源をアップサンプリングしただけでハイレゾを謳った“マガイモノ”も存在する。 ということを頭に入れたうえで、ハイレゾ版Blu-rayとこのBOXの40周年版CDの音質を比較してみたが、アナログマスターテープから制作されたこのハイレゾ『EACH TIME』、じつにすばらしい仕上がりだということがわかった。広大なサウンドステージ、音の立ち上がりの良さと消え際の精妙な表現に刮目
では、ハイレゾの音質上の魅力とは何か。それはまず“音場感”と“ディティール表現”にあると筆者は考える。幅と高さを伴った広大なサウンドステージ、音の立ち上がりの良さと消え際の精妙な表現と言い換えることもできるだろう。その2点においてこのハイレゾ『EACH TIME』は魅力的なのである。&header=tag" class="m-content-list-card__img-wrap_link u-hover-zoom-wrap">実にすばらしいアナログマスターテープから制作されたハイレゾ
『EACH TIME VOX』音質レビューの第3弾は、Blu-rayに収録されている<ハイレゾリマスタリング音源>から“EACH TIME 1984 0riginal Mix”(96kHz/24bit/2ch)である。Blu-rayは1層25ギガバイトの大容量メディア(ちなみにCDは650メガバイト)なので、このディスクにはすでにレビューした“5.1ch Surround Mix”の他、96kHz/16bit/2chで収録された“EACH TIME SINGLE BOX”、“EACH TIME Single+Rarities”、“EACH TIME Karaoke”が収録されている(映像コンテンツとして“40th Anniversary Music Video”2曲と“Original Music Video”3曲も)。『EACH TIME VOX』封入のBlu-ray(右下のディスク)
CDやDVD、Blu-rayなどに収められたPCM(Pulse Code Modulation)方式のデジタル音声は、横軸のサンプリング周波数と縦軸の量子化ビット数によって符号化される。サンプリング周波数によって定められるのは周波数特性、つまりどれくらい低い音から高い音まで収録できるか、量子化ビット数によって決まるのはダイナミックレンジ、すなわちどれくらい小さな音から大きな音まで入れられるか、である。 CDのサンプリング周波数は44.1kHz。44,100分の1秒の間隔でアナログ信号をサンプリングするという意味だ。アナログ信号に戻すことができるのは、原理的にはその半分の周波数となり、この場合22kHzということになる(実際のCDは20kHz)。また16bit(2の16乗)で量子化すると、65,536階調のダイナミックレンジ=96dBが実現できることになる。 このBlu-rayに収録されたハイレゾ音声は96kHz/24bitなので、高域再生限界はCDをはるかに上回る48kHz(人間の可聴帯域は約20kHzまでと言われているが、年齢を重ねるともっと低くなる)、ダイナミックレンジの階調数は約1677万(2の24乗)=144dBというとんでもない数字になる(人間の聴覚のダイナミックレンジは90dBと言われている)。 もっともこれはあくまで“音を入れる器の話”で、実際に録音に使われるレコーディング・イクイップメントがそのスペックを満たしているかどうかは別の話だし、世の中には、CD音源をアップサンプリングしただけでハイレゾを謳った“マガイモノ”も存在する。 ということを頭に入れたうえで、ハイレゾ版Blu-rayとこのBOXの40周年版CDの音質を比較してみたが、アナログマスターテープから制作されたこのハイレゾ『EACH TIME』、じつにすばらしい仕上がりだということがわかった。広大なサウンドステージ、音の立ち上がりの良さと消え際の精妙な表現に刮目
では、ハイレゾの音質上の魅力とは何か。それはまず“音場感”と“ディティール表現”にあると筆者は考える。幅と高さを伴った広大なサウンドステージ、音の立ち上がりの良さと消え際の精妙な表現と言い換えることもできるだろう。その2点においてこのハイレゾ『EACH TIME』は魅力的なのである。&header=tag" class="m-content-list-card__text-wrap_link">【Part3】Blu-ray Disc-4(EACH TIME 40th Anniversary Edition)|ハイレゾリマスタリング|『EACH TIME VOX』音質徹底検証!
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