連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「Cindy / Angel Touch」

2024.8.15

今月のお題

Cindy/ Angel Touch1990年


米国滞在中にスティーヴィー・ワンダーにも認められたという実力派シンガーで、山下達郎のバックコーラスに起用されたことでも知られるCindy。セカンド・アルバムの本作には、山下達郎バンドのギタリストだった鳴海寛が全面参加。ソウル、ファンク、R&Bといったブラック・コンテンポラリーの要素をふんだんに取り入れた作風が高く評価された。残念ながらCindyは2001年に43歳の若さで急逝したが、海外でのシティポップ・リバイバルの流れで、シングルカットされていた「私達を信じていて」の再生回数が飛び抜けて多く、国内外で再評価の兆しを見せている。

夜にだけひらく蕾があるように 夜の気配がキスを誘った<br />
夜にだけひらく蕾があるように 夜の気配がキスを誘った<br />



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。