2024年8月号|特集 アルファの夏!

⑥ハイ・ファイ・セット『ラブ・コレクション』|サブスクで聴くアルファの歴史的名盤

会員限定

レビュー

2024.8.8


ハイ・ファイ・セット
『ラブ・コレクション』

1977年2月5日発売

サブスクはこちら ▶

1. オン エニイ サンデイ
2. 雨のステイション
3. 眠い朝
4. まぶしい貴方
5. 夜の傷
6. クリスタル・ナイト
7. フィーリング
8. カントリー・ボーイ
9. 夢に見たジャマイカ
10. 中央フリーウェイ


1曲のカヴァーが人気グループへと押し上げた’77年の年間アルバムチャート第1位作

 アルバムチャートで11週連続1位、年間チャートも制して、紅白歌合戦初出場へと導いた3枚目のアルバム。そのきっかけとなったのはブラジルのシンガーソングライター、モーリス・アルバートの「愛のフィーリング」になかにし礼が日本語詞を付けてカヴァーした7曲目「フィーリング」だった。

 それまでのハイ・ファイ・セットは「スカイレストラン」など、荒井由実、村井邦彦らによる曲を提供され、山本潤子、山本俊彦、大川茂の3人でしか生み出せないコーラスワークと都会的なセンスを持つアレンジで支持されてきたが、「フィーリング」は歌謡曲に通じるウェットなメロディを持ったことで従来のファン層を超えて、いわゆるお茶の間レベルまで達し、一気に人気グループへと押し上げた。

文/油納将志