2024年7月号|特集 REBECCA
【Part4】土橋安騎夫 レベッカを語る|Special Long Interview
インタビュー
2024.7.29
インタビュー・文/大谷隆之 写真/増永彩子 取材/2024年6月@都内某所にて
(【Part3】からの続き)
根底にはやっぱりREBECCAがある。それが決して離れられない土壌であることは、年々と強く感じるようになりました。そしてそれは、本当に感謝すべきことだなって。素直に感じますね(土橋安騎夫)
──最後に少し話題を変えて、80年代REBECCAの活動について振り返らせてください。まずは一番最初にNOKKOさんのヴォーカルを聴いたときの記憶はありますか?
土橋安騎夫 はっきり覚えてますよ。そもそも僕は、キーボードのオーディションでREBECCAに入ったんですね。高校・大学を通じてずっとバンド活動にのめり込んでいて。自己流でシンセサイザーのプログラミングを習得し、テクノバンドを組んだりしてました。それでレコード会社の知人から声をかけてもらったんです。彼女のヴォーカルにはじめて触れたのはそのとき。記憶が曖昧ですけど、歌ったのは「ハチドリの証言」とか初期のオリジナルだった気がしますね。すごく小柄でスリムなのに、声量がとんでもなくて。すごいヴォーカルがいるなってびっくりしました。
──その時点では、2人でこんなに膨大な共作をするとは予想していなかった?
土橋安騎夫 当時僕は一番最後に入ったし、紅一点のNOKKOを除けば最年少メンバーでした。「土橋はじゅんメンバーだね」って言われた時、それが「準メンバー」の意味なのか、それとも「純メンバー」なのかは結局わからなかったけれど(笑)。リーダーになるなんて、その時点では想像もしていなかった。
──REBECCAは’84年4月、1stシングル「ウェラム・ボートクラブ」でCBS・ソニーからデビューします。その後、土橋さんをリーダーにして再出発したのが’85年1月でした。
土橋安騎夫 よく覚えているのは’85年のクリスマスに渋谷公会堂でライヴをやったことですね。たしかアルバム『REBECCA IV~Maybe Tomorrow~』を出した後のツアーだったんですけど……。
REBECCA
『REBECCA LIVE '85 -Maybe Tomorrow Complete Edition-』
2019年10月23日発売
──11月28日に始まった<REBECCA WORLD CONCERT TOUR ~Maybe Tomorrow>ですね。
土橋安騎夫 僕らにとってはあれが初の大規模ホールライヴでした。でも同じ<Maybe Tomorrow>ツアーでも、実は東京以外の地方公演はすべて小会場だった。つまり事前にツアー日程を組んだ段階では、REBECCAがあそこまで売れるとは事務所もレコード会社も想定できなかった。渋公のライヴは、最後に無理やりセッティングしたのかもしれないなと。
──調べてみると、REBECCAは'85年1月に渋谷eggmanの動員記録を作っています。超満員の“酸欠ライヴ”が騒がれた時期ですね。つまり’85年前半にはまだライヴハウスで演奏できていた。ところが同年11月1日にリリースされた4thアルバム『REBECCA IV~Maybe Tomorrow~』はチャート1位を獲得し、邦楽としては異例のミリオンヒットを記録します。そしてクリスマスの渋公ライヴ。振り返ると本当に怒涛の1年ですね。
土橋安騎夫 たしかに。思い起こせば『REBECCA IV~Maybe Tomorrow~』の制作自体も、普通じゃありえないくらい大変でしたよ。もともとREBECCAは、CBS・ソニー傘下のFITZBEAT(フィッツビート)からデビューしてるんですね。当時、このレーベルの所属アーティストはいわゆるミニアルバムを定期的にリリースする方針だった。6曲入りで、たしか価格は1500円くらいかな。REBECCAも最初のアルバム3枚は、それに沿って制作をしてたわけです。
──要はフルアルバムより廉価に、1つ1つの楽曲を丁寧に届けていこうと。
REBECCA
NOKKO(ヴォーカル)、土橋安騎夫(キーボード)、高橋教之(ベース)、小田原豊(ドラムス)、是永巧一(ギター)、中島オバヲ(パーカッション)。
1984年メジャー・デビュー。紅一点NOKKOのキュートでパワフルなヴォーカルやファッションが話題を呼び大ブレイク。’85年4枚目のシングル「フレンズ」が大ヒットし同年発表の4thアルバム『REBECCA Ⅳ ~Maybe Tomorrow~』がミリオンセラーを記録。「RASPBERRY DREAM」(’86年)「MONOTONE BOY」(’87年)「MOON」(’88年)など数々のヒット曲を連発。人気絶頂の中、’91年突然の解散。ファンを公言するアーティストも多く、伝説のバンドとして多数のフォロアーを生み続けている。
’15年には20年ぶりに横浜アリーナにて再結成ライヴ<Yesterday, Today, Maybe Tomorrow>を2日間公演し3万人を動員。同年さいたまスーパーアリーナにて追加公演にあたり2日間の公演で3万6000人を動員し、年末には『NHK紅白歌合戦』初出場も果たす。’17年にはREBECCAとして28年ぶりに全国ツアーを開催し超満員の武道館2daysを含め各地で大熱狂のライヴを繰り広げて話題となる。2022年には、ビルボードライブ東京・横浜・大阪で<Billboard Live 15th Anniversary Premium Live>を開催し全公演ソールドアウトとなった。
’24年7月7日に新曲「Daisy Chain」「アシデケトバセ」デジタル配信。7月10日には’90年の武道館ラストライヴ完全版『Dreams on 19900119 Reborn Edition -Return of Blond Saurus -』を発売。7月13日から全国ツアー<REBECCA NOSTALGIC NEW WORLD TOUR 2024>をスタート。
●土橋安騎夫オフィシャルサイト http://starfish-r.com/
●REBECCA NOSTALGIC NEW WORLD TOUR 2024 https://rebecca2024.com/
-
【Part3】土橋安騎夫 レベッカを語る|Special Long Interview
インタビュー
2024.7.26