2024年7月号|特集 REBECCA

【Part3】NOKKO レベッカを語る|Special Long Interview

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インタビュー

2024.7.26

インタビュー・文/大谷隆之 写真/上飯坂一 取材/2024年6月@都内某所にて


【Part2】からの続き)

あんなことは後にも先にもあれ1回だけ。たぶんそれだけ、やりきった充実感が大きかったんでしょうね。よく頑張ったねって、今なら素直に言ってあげられる気がします(NOKKO)


──せっかくデビュー40周年の節目なので、後半は少し過去の活動も振り返ってみたいと思います。7月10日には『Dreams on 1990119 Reborn Edition-Return of Blond Saurus-』というライヴ映像作品がリリースされました。これは’90年1月19日の日本武道館公演をノーカットで収録したもので。

NOKKO はい。

──撮影ディレクションを手掛けられた岸聖展監督が、当時の映像素材をゼロから再編集。世界的音響プロデューサーのGOH HOTODAさんがマルチテープからサラウンド音声をリミックスされています(7月7日は一夜限りのスクリーン上映も行われ、大反響を呼びました)。

NOKKO 本当にありがたいですよね。30年以上がたっても、ファンの方々にそうやって盛り上がっていただけるのは。

──NOKKOさんも試写でご覧になったそうですね。率直にどう思われましたか?

NOKKO あなた、ちょっと落ち着きなさいって(笑)。34年前の自分にそう声をかけたくなりました。なんだろう、小さな身体でずっと走り回っていて。ステージのすべての空間を埋めようとしてるじゃないですか。オープニングとラストの映像を比べると、ちょっと痩せてるぐらいの勢いで。

──しかも後半になるにつれ、声量がどんどん上がっていくという。

NOKKO ある種のトランス状態だったんでしょうね。他人事みたいですけど、あそこまでアクセル踏みっぱなしで2時間よく保ったなと。懐かしさよりもむしろ、必死さが目に飛び込んでくる感覚。いっぱいいっぱいだった当時の自分を思い出しました。



REBECCA
『Dreams on 19900119 Reborn Edition-Return of Blond Saurus-』

2024年7月10日発売



──今振り返ると、あの武道館公演が第1期REBECCAのラストライヴだったわけですね。ただし、バンド解散が正式に発表されたのは翌’91年2月です。どんな気持ちでステージに立ったのか覚えていますか?

NOKKO とりあえず、これが区切りにはなるだろうって。少なくとも私はわかってやっていました。それくらい、肉体的にも精神的にもギリギリ状態だったんですよね。スケジュールも殺人的だったし、新しいものをインプットする時間の余裕も持てなくて。それについては、たぶん他のメンバーも同じだったと思います。

──時間軸を整理すると、前年(’89年)5月は7作目のアルバム『BLOND SAURUS』がリリースされています。そして同年11月、「REBECCA LIVE TOUR FROM ’89 TO ’90 BLOND SAURUSの逆襲」がスタートしている。今回映像化された武道館ライヴは、実はこのレコ発ツアーの最終日なんですね。

NOKKO はい。なのでセットリストにも、『BLOND SAURUS』の収録曲をかなり入ってますよね。「VANITY ANGEL」とか、「Cotton Love」「Little Darling」「Navy Blue」とか。今思うとあれも、苛酷なコンディションのもとウンウン唸りながら作ったアルバムでした。同じ忙しくても、「FRIENDS」(’85年10月)とか「RASPBERRY DREAM」(’86年5月)、「LONELY BUTTERFLY」(’86年10月)の頃はバンド全体に気力体力がみなぎっていた。極端に言うと「知らない間に曲ができちゃったね」みたいな。謎のパワーがあったんです。でも『BLOND SAURUS』の制作現場にはそういうマジックは一切なかった。勢いだけでは突破できず、すべてを意識せざるをえなかったと言いますか。



REBECCA
『BLOND SAURUS』

1989年5月21日



──アレンジの細部に至るまで、苦心の跡が伺えると。




REBECCA
NOKKO(ヴォーカル)、土橋安騎夫(キーボード)、高橋教之(ベース)、小田原豊(ドラムス)、是永巧一(ギター)、中島オバヲ(パーカッション)。

1984年メジャー・デビュー。紅一点NOKKOのキュートでパワフルなヴォーカルやファッションが話題を呼び大ブレイク。’85年4枚目のシングル「フレンズ」が大ヒットし同年発表の4thアルバム『REBECCA Ⅳ ~Maybe Tomorrow~』がミリオンセラーを記録。「RASPBERRY DREAM」(’86年)「MONOTONE BOY」(’87年)「MOON」(’88年)など数々のヒット曲を連発。人気絶頂の中、’91年突然の解散。ファンを公言するアーティストも多く、伝説のバンドとして多数のフォロワーを生み続けている。

’15年には20年ぶりに横浜アリーナにて再結成ライヴ<Yesterday, Today, Maybe Tomorrow>を2日間公演し3万人を動員。同年さいたまスーパーアリーナにて追加公演にあたり2日間の公演で3万6000人を動員し、年末には『NHK紅白歌合戦』初出場も果たす。’17年にはREBECCAとして28年ぶりに全国ツアーを開催し超満員の武道館2daysを含め各地で大熱狂のライヴを繰り広げて話題となる。2022年には、ビルボードライブ東京・横浜・大阪で<Billboard Live 15th Anniversary Premium Live>を開催し全公演ソールドアウトとなった。

’24年7月7日に新曲「Daisy Chain」「アシデケトバセ」デジタル配信。7月10日には’90年の武道館ラストライヴ完全版『Dreams on 19900119 Reborn Edition -Return of Blond Saurus -』を発売。7月13日から全国ツアー<REBECCA NOSTALGIC NEW WORLD TOUR 2024>をスタート。


●NOKKOオフィシャルサイト https://nokko.jp/
●REBECCA NOSTALGIC NEW WORLD TOUR 2024 https://rebecca2024.com/