2024年7月号|特集 REBECCA
【Part2】2024年7月7日・東京・立川シネマシティ|ライヴ・フィルム<Dreams on 19900119 Reborn Edition-Return of Blond Saurus->
レポート
2024.7.19
取材・文/大窪由香 写真/島田香
映像作品の発売(7月10日)に先駆け、七夕の7月7日にREBECCAのライヴ・フィルム<Dreams on 19900119 Reborn Edition-Return of Blond Saurus->の一夜限定プレミアム上映会が、全国の映画館で開催された。
東京・立川シネマシティでは、本編上映前に、本作を手掛けた映像監督の岸聖展氏と、音響監督のGOH HOTODA氏が登壇。ライターの大谷隆之氏が進行役を務め、撮影した1990年当時のことや、本作の見どころなどを語り合った。
── ライヴから34年経って改めて再編集されたわけですが、改めて34年ぶりにご覧になって、どんな印象でしたか?
岸聖展 とりあえずNOKKOが元気だなって(笑)。
会場 (爆笑)
岸聖展 ずっと走って踊って歌うじゃないですか。時代を瞬間パックしている、80年代の熱いパワフルな時代の、REBECCAが、NOKKO自体が象徴だったのかなと思いました。
── 1990年当時、映像監督をされていましたが、その時の撮影コンセプトというのはどういうものでしたか?
岸聖展 時代を瞬間パックして、お客さんとの一体感がより伝わる演出を心掛けました。カメラは全部で15カメ。ドームの時は24だったかな。僕がいる中継室では15カメの画像が一斉にマス目になっていて、普通は良いカメラの画面を1枚ずつ選んで構成編集するんだけど、ライヴ感を追求するために、カメラマンたちに「別のカメラと被ってるから、もう少し引いてくれ」とか怒鳴り上げながら、その場のライヴのノリでリアルスイッチングして。その場でスイッチングしたものを、できればNO編集で、ドキュメンタリーでやりたかった。普通はきれいに編集するんだけど、ほとんど9割ぐらい編集しないでそのまんまやったことを覚えています。
GOH HOTODA バンドと一緒ですよね、動きも。
岸聖展 あれはバンドでしたね。
GOH HOTODA カメラのクルーたちがメンバーというか。
── 指示を出している時の監督は、結構テンションも高くなっているんですか?
岸聖展 いっちゃってましたね、もう何も聞こえないです(笑)。
会場 (笑)
岸聖展 カメラクルーは半分外国人だったんですよ。だから英語と日本語で指示を出して。スイッチャーが遅いから僕がスイッチングもするじゃないですか。なので、よくわかんない感じになってましたね(笑)。
── そして34年後の今回、編集も変えられたわけですよね?
岸聖展 僕も中で入ってやってたので、客観視ができないんですよ。なので、ちょっと引いた形でやろうかなっていうことで東京ドームの映像(2019年)はやったんですけど、武道館に関しては1像の全部を見て作っていきました。だから編集の人に『頭の中を見てみたい』って言われましたよ(笑)。思い入れがすごいですからね。
── GOHさんは今作の映像について、どういう印象をおもちですか?
GOH HOTODA 映像は躍動感というか、ライヴ感がすごいですよね。付随していた音はやっぱり当時の技術がMAXなわけですよね。それを現代の音にしたいなというイメージを僕はもっていました。
ここで、音響について劇場用に最適化するために共同作業した、劇場版5.1chミックス担当の長部彰氏を会場に呼び込み、大きな劇場で鑑賞するための音響作りについて、より詳しく解説された。
長部彰 よろしくお願いします。
GOH HOTODA 僕は音楽的に調節するんだけど、長部さんの仕事というのは、わかりやすく言うと、この大きなスクリーンでも何の遜色もなく、より迫力のある音に仕上げるというような働き方なんですね」
── もう少し具体的に言うと、マスターテープなど、もとの素材に対して作業的にはどんなことをされるのですか?
GOH HOTODA とにかく臨場感あふれる、迫力のある音に仕上げる。それが目標で。平均的なことにするのではなくて、当時の時代に戻るっていうとおかしいんですよね。現代に甦らせるというのが、たぶん正しいところかもしれませんね。
── GOHさんは世界を舞台に活躍されていらっしゃいますが、今回何か具体的なイメージがあったのでしょうか?
GOH HOTODA 自分は親の都合もあって、子供の頃から海外に行ったりしてたんですけど、16歳の時にレッド・ツェッペリンというバンドの『狂熱のライブ』っていう、いわゆるロック映画というか、ライヴ映画を初めて放映したんですよ。悪い大人に「こういう映画を観に行こうよ」って連れて行かれたんですけど、その時の衝撃がすごかったんです。それで、ライヴ映像の仕事をする時は、必ずそれを見本にして仕事をするんですよね。
GOH HOTODA