2024年7月号|特集 REBECCA

【Part2】鮮やかによみがえった画質を検証|REBECCAで感動体験!UHD-BD徹底検証!!

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スペシャル

2024.7.12


撮影素材から再編集し、最新技術によるアップコンバート、ノイズ除去などを施して高画質化、音源もマルチテープからリミックスし4K映像を収録したREBECCA初のUHD-BD『Dreams on 19900119 Reborn Edition-Return of Blond Saurus-』。その画質と音はどこまで進化したのか。オーディオ評論家の山本浩司が徹底検証する。

文/山本浩司 写真/島田香

110インチのスクリーンと65インチの有機ELテレビで検証

 往年のファンの間で大きな話題になっているREBECCAのライヴ映像作品が3フォーマットで7月10日に発売された。すなわちDVD、Blu-ray、UHD(Ultra HD) Blu-rayの3種類である。1990年1月19日、日本武道館で収録されたこの作品のBlu-ray、UHD Blu-rayの製品盤と2000年に発売されたDVDを入手したので、そのインプレッションをお伝えしたい。今回は映像・画質編。



(写真左より)DVD、Blu-ray、UHD Blu-ray

 ’90年当時は、まだハイビジョン放送も始まっておらず、NTSCと呼ばれたSD(Standard Definition)フォーマットの時代。この映像作品も水平720×垂直480画素のSD解像度でビデオ撮りされている。今回新たに発売されたUHD Blu-rayとBlu-rayは、元の撮影素材を用いて再編集し、それぞれ4K(水平3,840×垂直2,160画素)、2K(水平1,920×水平1,080画素)にアップコンバートし、目障りなノイズ除去などを施してソフト化されたという。



「DLA-V9」

 ぼくの部屋には110インチ・スクリーンにビクターのD-ILAプロジェクター「DLA-V9」の映像を映し出したメインシステムと、レグザの65インチ有機ELテレビ「65X9400」を用いたサブシステムがあり(再生プレーヤーはメインシステムがパナソニック「DMR-ZR1」、サブシステムが「マグネターUDP900」)、実際に本作のUHD Blu-rayとBlu-rayを両システムで再生してみた。


元の34万5千画素をUHD Blu-rayでは約800万画素にアップコンバート



 アスペクト比(画面の横・縦の比率)は4対3(現状の2K/4Kは16対9)で、さすがに古さを感じさせる映像だが、80年代から大活躍したREBECCAの“あの時代”を生々しく思い出させてくれる貴重な動画が真空パックされていて、なんだかとても懐かしい思いがした。武道館を埋め尽くした聴衆を前に、REBECCAのメンバーも全力投球のステージを繰り広げていて、その熱気に満ちあふれた演奏のすばらしさにも心が躍った。

 元の34万5千画素(水平720×垂直480)の映像を、Blu-rayは約200万画素に、UHD Blu-rayは約800万画素にアップコンバートしなければならないわけで、とくにUHD化の作業がきわめて困難を極めたことは容易に想像できる。じっさいに我がホームシアターでBlu-rayとUHD Blu-rayを見比べても、精細度において大きな違いは感じられない。しかも、このUHD Blu-rayはHDR(ハイダイナミックレンジ)ではなくSDR(スタンダードダイナミックレンジ)仕様なので、明暗のコントラストにも両者に大きな違いはなかった。


スクリーン大画面で観たときに違いが顕著なUHD Blu-ray





山本浩司(やまもと・こうじ)

月刊『HiVi』、季刊『ホームシアター』の編集長を経て、2006年よりフリーランスのオーディオ評論家に。リスニング環境はオクターブ(ドイツ)のプリ「Jubilee Pre」と管球式パワーアンプ「MRE220」の組合せで、38cmウーファーを搭載したJBL(米国)のホーン型スピーカー「K2S9900」で再生している。UHD Blu-ray再生はパナソニック「DMR-ZR1」とマグネター「UDP9000」を使用している。