2024年6月号|特集 あぶない刑事と音楽

【Part1】ロザリーナ(映画『帰ってきた あぶない刑事』挿入歌担当)

インタビュー

2024.6.3

インタビュー・文/大窪由香 写真/山本佳代子


「no plan」は仲間とか、相棒のイメージですね(ロザリーナ)


── 5月12日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催された<「あぶない刑事」スペシャルフィルムコンサート>にご出演されましたが、あのステージに立たれていかがでしたか?

ロザリーナ 個人的にはすごく緊張しつつも、とても楽しいイベントでした。同時に、38年前の映像を観ながら思い出の曲が聴けるって、お客さんはどういう気持ちで観たのかな? と、すごく不思議な感じもしました。一緒に38年という年月を“あぶ刑事”と一緒に過ごしてきた人にしか感じられない気持ちもあったでしょうし、最近ファンになった方にとっては新鮮な気持ちで聴かれたでしょうし、いろんな気持ちがあるのかなと思ったら、改めてすごく素敵なイベントだなと思って。

── 生演奏でしか味わえない感動やアレンジの新鮮さもあり、すごく贅沢な時間でしたね。ロザリーナさんは最新劇場作『帰ってきた あぶない刑事』挿入歌でご自身の楽曲の「no plan」と、カヴァー曲「Where Do You Go From Here?」の2曲を披露されましたが、先ほど「すごく緊張した」とおっしゃっていましたが、お客さんの反応などはいかがでしたか?

ロザリーナ とても温かかったです。やっぱり自分の普段のライヴとは違う、初めての感覚のステージだったから、「お邪魔します」みたいな感じで、やっぱり緊張しましたね。ロザリーナって誰?ってなってるかな?っていう緊張感もありましたし(笑)。だけど、突然現れたロザリーナのことも温かく迎えてくださって嬉しかったです。それもMCの仲村トオルさんが会場の空気を温めてくださったおかげだと思いますが。あと、ファンのみなさん同士で作っている会場の空気感がすごくよくて、本当に『あぶない刑事』ファンの方々がここに駆け付けて観に来られているんだなという感じがしました。後ろにあった大きなモニターに映る映像に花を添えられるようなBGMをしっかりやろう、という気持ちでステージに立っていました。


2024年5月12日 <「あぶない刑事」スペシャルフィルムコンサート>


── 自分自身のパフォーマンスを観せたいといったことではなく、BGMをしっかりやろうと。

ロザリーナ そうですね。いつものライヴではパフォーマンスで表現しようとか、そういうことを考えてましたけど、今回はリハの雰囲気から“フィルムコンサートって、こういうことなのか”とわかったので、客席の多くの方は私の後ろのスクリーンに映っているフィルムを観に来ているのだから、私はBGMとして、そのフィルムをちゃんと盛り上げないとな、映像の邪魔にならないようにしないとな、と思っていました。

── そういうことを意識してあの場に立っていたんですね。挿入歌の「no plan」について、当日のMCによると、今回映画サイドに何曲か楽曲を提出した中で、ロザリーナさんの中ではちょっと意外な曲が採用されたとか。

ロザリーナ 監督さんのお話を聞いてから、バンドサウンドっぽいものを作り始めたんです。その中で「絶対これだ!」って思った曲があったんですけど、「no plan」の方に決まりました(笑)。「絶対この曲だな」と思った曲はもうちょっとかっこいい系で、「no plan」はちょっとポップな感じの曲だから、「no plan」に決まった時に「えーっ!」って(笑)。個人的にはどちらも好きな曲だったので、嬉しかったですね。

── そんな経緯があったんですね。「no plan」は具体的にどういうふうに制作していかれたのですか?

ロザリーナ まずサビの部分が、ギターを弾きながらメロディと歌詞が一緒に出てきた、みたいな感じでした。そのコードをパソコンに打ち込んで、そこから少しずつAメロ、Bメロの雰囲気を作っていて。最初はギターで作るんですけど、途中からだいたいパソコンに入れちゃって、いろいろと音を重ねてみて作っていった感じですね。私は作曲を独学でやってきていて、音楽用語をあまり知らないので、アレンジャーさんに依頼する時に、弾き語り一本だとイメージが伝わりづらいかなと思うので、絶対に入れておきたい音とかはなるべくデモ音源にしっかり入れるようにしているんです。

── 歌詞については、どういうところを意識して映画とリンクさせましたか?

ロザリーナ 仲間とか、相棒のイメージですね。『帰ってきた あぶない刑事』の相棒感、仲間であり友達でもあり、切っても切れない縁や絆。そういう関係性だからこそ、ノープランで「今、何してんの?」「いいね、そこに行くよ」、みたいなやり取りができるじゃないですか。そういうことって本当に信頼している人じゃないとできない。私の等身大の歌でもあるんです。



── 実際に映画の中で「no plan」が使われているシーンをご覧になって、いかがでしたか?

ロザリーナ シンプルに嬉しかったです。曲に合ったシーンで使ってくれたのかなって。とっても、いい曲に聴こえました(笑)。

── いい曲ですよ(笑)。映画の中でも、ちょっとホッとするような暖かみのあるハッピーなシーンで使われていましたね。

ロザリーナ ハッピーでしたね。私が観たのは試写会だったんですけど、自分の声が流れてるわけじゃないですか。ステージに立っている気分じゃないですけど、一瞬すごく緊張して。すごく美しいシーンで使っていただけて嬉しいとともに、一緒に観ている関係者の方々はどんな感じで観てるんだろう? って、ちょっと周りを見ちゃいました(笑)。

── 関係者の方たちは、どんな感じで観てましたか?

ロザリーナ フツーに観てました(笑)。

【Part2】に続く)




ロザリーナ LOZAREENA

2018 年のメジャーデビュー以降、『からくりサーカス』や『歌舞伎町シャーロック』など多くのTVアニメテーマ曲を担当。NHK『みんなのうた』への楽曲書き下ろしや、人気ロックバンドTHE ORAL CIGARETTESの「Don't you think feat. ロザリーナ」でコラボレーションを実現させたりと、活動は多岐にわたる。2020年1月29日にリリースした1stアルバム『INNER UNIVERSE』収録曲の「何になりたくて、」が10代学生を中心に口コミで広がり、YouTubeでの再生回数は700万回を突破。また、2022年1月19日にデジタルリリースした「Life Road」は、『コカ·コーラ福ボトル』TVCMにも大抜擢され、YouTubeでの再生回数は130万回を突破。自身初のCM出演も果たす。さらには、5月23日より放送のAmazon MusicブランドCM<Following is Cheering>篇に出演した。4月19日にリリースした「I knew」は、テレビ朝日ドラマ『unknown』挿入歌を担当し、大きな反響があった。また、8月2日にリリースした「my star」は、「EDENS ZERO」第2期2クール目ED曲を担当した。2024年5月8日、映画『帰ってきた あぶない刑事』の挿入歌「no plan」を配信発表。5月29日、3rdアルバム『sweet ring』を発表。今後ますます目が離せない注目のシンガーソングライターである。

ロザリーナ オフィシャルサイト https://lozareena.com/

ロザリーナ
『sweet ring』

【初回生産限定盤】
2024年5月29日発売
映画『帰ってきた あぶない刑事』挿入歌「no plan」ほか全10曲+DVD収録


ロザリーナ
『sweet ring』

2024年5月29日発売
映画『帰ってきた あぶない刑事』挿入歌「no plan」ほか全10曲収録


『帰ってきた あぶない刑事 オリジナル・サウンドトラック』
2024年5月8日発売
「no plan」「Where Did You Go From Here?」を含む全30トラック収録







『帰ってきた あぶない刑事』
2024年5月24日劇場公開


舘ひろし 浅野温子 仲村トオル 柴田恭兵
土屋太鳳
西野七瀬 早乙女太一 深水元基
ベンガル 長谷部香苗 鈴木康介 小越勇輝 / 杉本哲太
岸谷五朗 / 吉瀬美智子

監督:原廣利
脚本:大川俊道 岡芳郎
製作プロダクション:セントラル・アーツ
配給:東映
©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

https://abu-deka.com

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