連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「滝沢洋一 / レオニズの彼方に」

2024.5.15

今月のお題

滝沢洋一/ レオニズの彼方に1978年


アルファ・ミュージックの契約作曲家として、ハイ・ファイ・セット、サーカス、ブレッド&バターなどに楽曲提供していたことでも知られるシンガー・ソングライターが残した唯一のアルバム。佐藤博が全面的にアレンジを手掛けており、村上“ポンタ”秀一、林立夫、鈴木茂、松原正樹、松岡直也といった錚々たるミュージシャンが参加。メロウでソウル・フィーリングに満ちた「最終バス」、ハイ・ファイ・セットに書いた哀愁味溢れるボサノヴァ調の「メモランダム」、疾走感溢れる表題曲「レオニズの彼方に」など洗練されたサウンドを披露している。近年、シティポップの隠れた傑作として、国内外問わず高く評価されている作品だ。

押すたびに車内に浮かぶ路線バスの 降車ボタンの光の銀河押すたびに車内に浮かぶ路線バスの 降車ボタンの光の銀河



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。