2024年5月号|特集 大江千里『1234』
⑤「ハワイへ行きたい」|Disc-1 CD『1234』|『1234 ~Special Limited Edition~』徹底検証
レビュー
2024.5.13
文/ドリーミー刑事
ポスト・バブル的な眼差しも含まれたリゾート・ソング
松任谷由実の『SURF&SNOW』がリリースされた’80年の日本の海外渡航者数は約390万人。一方『1234』がリリースされた’88年には840万人を超え、いわゆるシティポップの時代には聴き手にとって憧憬の対象だったリゾートや海外旅行が、自らが主体となって消費する現実的な対象となっていた。5曲目の「ハワイへ行きたい」はそんな時代背景から生まれたリゾート・ソングとして聴くこともできるが、注意深く歌詞を見れば、太平洋戦争開戦の地としてのハワイを示唆した上で、経済大国としての恩恵を無邪気に謳歌する日本人のあり方に対する疑問が差し込まれ、すでにポスト・バブル的な眼差しがあったことに気づくだろう。
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