2024年4月号|特集 大滝詠一 EACH TIME

チェッカーズと『ザ・ベストテン』|1984年5月17日|1984年<春・夏>サブカルチャー

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コラム

2024.4.17

文/安川達也(ウェブマガジンotonano編集部)


3曲同時にベストテン入り!!! ’84年最大の社会現象となったチェッカーズ


 大滝詠一『EACH TIME』、竹内まりや『VARIETY』、佐野元春『VISITORS』が大ヒットしていた’84年初夏。テレビの歌番組に出演しない所謂アルバム・アーティストとは真逆のプロモーションを展開し、ブラウン管からお茶の間を席捲したのはチェッカーズだった。


チェッカーズ 1stシングル
「ギザギザハートの子守歌」

作詞:康珍化/作曲・編曲:芹澤廣明
1983年9月21日発売


 藤井郁弥(リードヴォーカル)、武内享(ギター)、高杢禎彦(サイドヴォーカル)、鶴久政治(サイドヴォーカル)、大土井裕二(ベース)、徳永善也(ドラムス)、藤井尚之(サックス)。兄弟と幼馴染の仲間たちとドゥワップに夢中なアマチュア・バンドとして福岡で頭角を現し、’81年ヤマハコンテスト九州地区大会のジュニア部門で優勝したのをきっかけに7人で上京。’83年9月に「ギザギザハートの子守歌」でデビュー。ブレイクのきっかけとなったのは’84年に1月に発売された2ndシングルの「涙のリクエスト」だった。


チェッカーズ 2ndシングル
「涙のリクエスト」

作詞:売野雅勇/作曲・編曲:芹澤廣明
1984年1月21日発売


 中森明菜のツッパリ路線の初期代名詞となった「少女A」(’82年7月)を生んだ売野雅勇(作詞)×芹澤廣明(作編曲)名コンビによる「涙のリクエスト」は、売野が映画『アメリカン・グラフィティ』(’73年)をイメージして描いたという。ジョージ・ルーカスが、60年代カリフォルニアのスモールタウンで過ごした一夜を自伝的に描いた若者群像劇と、九州・久留米での悪ガキ時代を重ね合わせた青春賛歌だった。チェッカーズのベースにあるオールディース・スタイルを地で行く「涙のリクエスト」は、歌詞の世界そのままに有線放送やラジオフレンドリーになり、そのリクエスト数がそのまま国民的音楽番組の出演にも反映されることになった。




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