連載|DJ OSSHY|TOKYOの未来に恋してる!

第62回 【対談⑳ スウィング・アウト・シスター×DJ OSSHY[前編]】

2024.4.19

第62回 【対談⑳ スウィング・アウト・シスター×DJ OSSHY[前編]】

「ブレイクアウト」はリアルタイムでプレイしました(DJ OSSHY)


フロアが盛り下がったりしなかった(笑)?(アンディ・コーネル)


しないですよ(笑)無敵ナンバーですから!(DJ OSSHY)



DJ OSSHY 今日は久しぶりに来日中の洋楽アーティストをこの対談連載に迎えることになりました。スウィング・アウト・シスターのおふたりです! デビュー時からの大ファンなので、もうほんとにお会いできてうれしいです。ちょっと感動です。

コリーン・ドリュワリー そんなに前から! うれしいです。日本が大好きなので、また来ることができてうれしいですし、いつも日本のみなさんが暖かく迎えてもらえるのですごく幸せな気持ちになれるんですよ。

DJ OSSHY このイベントはおぼえていらっしゃいますか?(ふたりの前にフライヤーを差し出す)

コリーン・ドリュワリー おぼえていますよ! すごく楽しいイベントでしたから。




DJ OSSHY 実は私、この2019年3月に行われた<トーキョー・ディスコティック>と<コーベ・ディスコティック>のフェスティバル・アンバサダーを務めさせていただいたんです。

コリーン・ドリュワリー ええ! そうだったんですか、あのときちゃんと挨拶ができなくてごめんなさい。

DJ OSSHY いえいえ、私も本当に楽しませてもらったイベントでした。スウィング・アウト・シスターのほかにも、クール&ザ・ギャング、チャカ・カーン、シーナ・イーストンも出演してくれて、まさにディスコの黄金時代を再現するような2日間になったと思います。

コリーン・ドリュワリー 確か、東京公演の日がチャカの誕生日で、ハッピー・バースデイを歌ったおぼえがあります。

アンディー・コーネル そうだった、楽屋でみんなで歌ったよね。このイベントに出演させてもらったおかげで、クール&ザ・ギャングとチャカ・カーンに会えて、すごくうれしかったよ。彼らからすごく影響を受けているので。

DJ OSSHY そんなことがあったんですね! すごい!!




アンディー・コーネル OSSHYは80年代からDJのキャリアをスタートさせたんだってね。ぼくらは、ほぼ同じ音楽の時代を過ごしてきたわけだ。

DJ OSSHY ’82年からスタートしました。ですので、’86年リリースの「ブレイクアウト」はもちろんリアルタイムでプレイしましたよ。あとは「サレンダー」、「トワイライト・ワールド」、「ウェイティング・ゲーム」も。

アンディー・コーネル ワオ! それはうれしいね。フロアが盛り下がったりしなかった(笑)?

DJ OSSHY しないです、しないです(笑)。「ブレイクアウト」はもう40年近くプレイしていますが、いまだにダンスフロアを明るく華やかにしてくれる人気曲なんです。90年代に入るとディスコからクラブの時代になり、ディスコ・ミュージックは衰退していきました。そんな風に10年周期でブームが色々変わってきた現場にいる中で、「ブレイクアウト」だけはどんな時代でもずっと安定して楽しく踊ってもらえる。「ブレイクアウト」は無敵、敵なしソングなんです。この曲がずっと生き長らえている理由というのをどう考えられますか?


Swing Out Sister「Breakout」(1986)Official Video


コリーン・ドリュワリー それこそ東京と神戸で共演したクール&ザ・ギャングやチャカ・カーン、それにアース・ウインド&ファイアーといった70年代のディスコ・ミュージックから大きな影響を受けていて、そうしたソウルやファンク、ジャズはOSSHYが今言ったように90年代に入ると下火になっていきましたが、私たちは流行り廃りに関係なくずっとやってきました。だからこそ、曲の鮮度が変わらず、愛し続けてもらえているんじゃないかなと考えます。

アンディー・コーネル デビューした頃は僕らは3人編成で、それぞれの中にあるアイデアを共有してコラボレーションするという関係性ではなくて、各々が自分のアイデアを完結させるスタイルだったんだ。創作というのは、ポジティヴなものでもあるし、ある意味ではネガティヴな要素もはらんでいる。3人というのは、だいたいにおいて2対1の構造になることが多くて、バランスを取ることが難しいんだ。でも、その居心地の良くない環境というのが、一方では何かを作るということにとてもよく作用していたと思う。また、その頃は色んなことに対して無知な時代だったから、それも良い方に作用したんじゃないかな。あまり深く考えないというか、思い悩まなかったことが良い結果を生んだんだと思う。




DJ OSSHY なるほど。3人組のバランスの難しさというのは、なんとなく想像ができます。そんな関係性によって「ブレイクアウト」は生まれたんですね。その「ブレイクアウト」を含めて、スウィング・アウト・シスターの曲はなぜか秋や冬を感じます。季節感を意識して曲を作っているのでしょうか?

コリーン・ドリュワリー 興味深い指摘ですね。特に季節感を考えて曲を書くということはないんですけれども、先ほど挙げてくれた「ブレイクアウト」や「トワイライト・ワールド」、「サレンダー」にしろ、マンチェスターで書いた曲というのは大きいと思います。というのも、マンチェスターはいつも雨が降っているような暗い気候の街なので、そのムードが曲に反映されているのではないでしょうか。例えば私自身が秋のムードだったりすることがあったり、逆にアンディが冬のムードだったりすることもある。そんな風に、お互いが持つムードみたいなものを曲から感じ取ってもらえるのではないでしょうか。


Swing Out Sister「Surrender」(1987)Official Video


DJ OSSHY なるほど。でも、秋や冬をイメージさせる曲も暗いということではなく、センチメンタル、メランコリックな雰囲気を感じるんです。

コリーン・ドリュワリー そう、ダークというよりはセンチメンタル、メランコリックという感情が出ているんだと思います。そんなムードの中に、一筋の太陽の光を射し込ませるような音楽を作りたくて、ずっとやっているところがありますね。

アンディー・コーネル 一方で自分たちの音楽が明るくてポジティヴ、晴天のような音楽だと言ってもらうこともあるけれど、歌詞を見ると死についてだったり、ダークなテーマがすごく多い。これはコリーンの中にあるダークサイドみたいなものが、歌詞に表れているんだと思う。でも、明るいサウンドも同じように自分たちの中から生まれてきているもので、その相反するバランスがおもしろいし、音楽自体も良い作用を与えているんじゃないかな。

コリーン・ドリュワリー そうだと思う。私たちもOSSHYと同じくらいの長い間、音楽を作っているけれど、若い時、20代の時というのはもっと夢を見ていて、夢について歌っていることが多かった。そんなポジティヴなサイドの曲と、学生時代に寒々しい学生寮の中とかで生まれてきた内向的な曲があって、その時々のムードが曲に映し出されているんじゃないかなと思います。

DJ OSSHY おふたりは80年代から何度も日本に来られていますが、日本のディスコやクラブに遊びに行ったことはありますか?

コリーン・ドリュワリー すごく高いビルの地下にあって、ディスコ・ミュージックではなくアンビエント・ミュージックが流れているチルアウトルームみたいなところに連れていってもらいました。お花が生けてあって、お香が焚かれている空間で、場所も名前もおぼえていないんですけど、印象に残っています。

アンディー・コーネル あとは新宿にあった頃のリキッドルームにも行ったよね。

コリーン・ドリュワリー リキッドルームでは来る人たちがみんなロッカーに服や荷物を入れて、踊りまくっていたのが衝撃的でしたね。おもしろい光景でした。

DJ OSSHY あーなるほど(笑)。コインロッカーが普及している日本ならではのスタイルですね。初めてディスコやクラブに行ったときのこともおぼえてらっしゃいますか?




コリーン・ドリュワリー 初めて私が行ったのは、マンチェスターのハシエンダというクラブなんですけれども、そこでアンディと出会ったのが、スウィング・アウト・シスターで一緒にやるきっかけになったんです。その前にロンドンでちょっと会ったことがあったんですが、当時在籍していたバンドのシンガーとしてハシエンダに出演していて、アンディはそのオーディエンスのひとりでした。シンガー、ヴォーカルを探していたアンディから声をかけられたんです。

アンディー・コーネル だから、今のぼくたちがあるのはクラブのおかげと言っていいね。当時のハシエンダはニュー・オーダーの曲がよくかかっていた。ニュー・オーダーと彼らが所属していたレーベルのファクトリーが出資、運営していたから当たり前なんだけど。ハシエンダは80年代から90年代前半にかけて世界のクラブ・シーンをリードする存在だったけれど、残念ながら彼らは経営のセンスがあまりなかったのでレーベルが倒産し、ハシエンダもドラッグの問題があって90年代後半にクローズしてしまった。今、その跡地はマンションになっているよ。


[後編]に続く

対談進行・文/油納将志 通訳/長谷川友美 写真/島田香
取材協力/Billboard Live TOKYO/YOKOHAMA http://www.billboard-live.com/



2024年4月1日~9日、東京6回、横浜2回、大阪4回のソールドアウトBillboard Liveステージでファンを魅了したスウィング・アウト・シスター●Photo:Masanori Naruse/Billboard Live TOKYO 2024.4.2[1st]Stage

Swing Out Sister スウィング・アウト・シスター
スタイリッシュな美学に貫かれた音楽センスで、デビュー38年を経た今もな世界中で絶大な人気を誇るUKポップ・デュオ。メンバーはアンディー・コーネル(キーボード)、コリーン・ドリュリー(ヴォーカル)。’86年にデビュー。シングル「ブレイクアウト」が全英4位(’86年11月)、全米6位(’87年8月)の世界的な大ヒットを記録。同曲を収録した1stアルバム『ベター・トゥ・トラベル』が本国全英チャート初登場1位(’87年5月)に輝く。音楽シーンに華々しく登場して以来、そのお洒落な音楽センスでファンを魅了し続けている。日本ではドラマ『真昼の月』(’96年)の主題歌「あなたにいてほしい(Now You’re Not Here)」が30万枚を超える大ヒットとなった。


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DJ OSSHY 出演スケジュール


2024.4.19《EVENT》【東京都・渋谷区】DJ OSSHY&DJ AKIRA Presents 「Boogie Nights」<主催イベント>
2024.4.20《RADIO》interfm「RADIO DISCO」15:00~17:45 生放送(毎週土曜日放送)
2024.4.21《RADIO》FMヨコハマ「横浜DiscoTrain」15:20~15:30(毎週日曜日放送)
2024.4.27《RADIO》interfm「RADIO DISCO」15:00~17:45 生放送(毎週土曜日放送)
2024.4.28《RADIO》FMヨコハマ「横浜DiscoTrain」15:20~15:30(毎週日曜日放送)
2024.5.3《EVENT》【京都府 祇園】surfer disco @ マハラジャ祇園
2024.5.4 《RADIO》interfm「RADIO DISCO」15:00~17:45 生放送(毎週土曜日放送)
2024.5.5《EVENT》【神奈川県・逗子市】 LIVE & DISCO 2024 Vol.1@surfers ZUSHI
2024.5.5《RADIO》 FMヨコハマ「横浜DiscoTrain」15:20~15:30(毎週日曜日放送)
2024.5.6《TV》 BSフジ「DJ OSSHY DISCO TV」放送 24:00~24:25
2024.5.10《EVENT》 【東京都・銀座】DJ OSSHY DISCO R&B Night @ 銀座DisGOONieS <主催イベント>
2024.5.12《EVENT》 【愛知県・名古屋】 DISCO LOUNGE ZERO in名古屋 @ CLUB W

▲諸事情によりイベントは変更になることもございます。 詳しくはDJ OSSHY公式サイト(www.osshy.com) をご参考ください。



プロフィール

DJ OSSHY
DJ OSSHY (公式サイト www.osshy.com)
7月22日「ディスコの日」制定者。80′s ディスコ伝道師。
MCとミキシングを両方こなす、DISCO DJのスペシャリスト。
安心・安全・健康的でクリーンなディスコの魅力を全国に伝えている。
テレビ司会者の第一人者「押阪 忍」の長男。

親子で楽しめる「ファミリーディスコ」、高齢者向け「シルバーディスコ」など、 世代を超えて楽しめるイベントを開催。
東京スカイツリー、東京タワー、羽田空港、大型客船シンフォニー、 小金井カントリー倶楽部などでのディスコイベントのメインDJを務め、郷ひろみ、鈴木雅之、角松敏生との共演イベントも大きな話題を呼んだ。
売野雅勇 作詞活動35周年記念コンサートでは、総合司会を務めた。

民放テレビ初のディスコTV番組「DISCO TRAIN」(TOKYO-MX)を始めとした、ディスコ放送番組DJのパイオニアでもある。

【レギュラー番組】

・「DJ OSSHY DISCO TV」(BSフジ)毎月第3木曜日24:00~24:25
・「DJ OSSHY × まつきりな 推しナイト!」(BSフジ)毎月第4木曜日24:00~24:25
・「Family Disco」(JFN系列)全国FMラジオ放送
・「RADIO DISCO」(InterFM897)毎週土曜日15:00~17:45
・「横浜DiscoTrain」(FMヨコハマ)毎週日曜日15:48~15:57

他、2018年6月4日 テレビ朝日「徹子の部屋」など様々な番組に出演。

2021年9月22日には最新mix CD『 SURF DISCO 2 -NO SURF, NO LIFE.- mixed by DJ OSSHY 』をリリース。
2016年10月には、初の書き下ろし・エッセイ『ディスコの力』(PHP出版)を出版した。

今、日本で一番集客力のある、ディスコ世代に支持されているDJタレント。

DJ OSSHY公式サイト
www.osshy.com

公式ファンクラブサイト
osshyfan.com

公式オンラインショップ
djosshy.theshop.jp

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http://www.osshy.com/news/9065/
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