2024年4月号|特集 大滝詠一 EACH TIME

⑧「1969年のドラッグレース」|Disc1-8|『EACH TIME 40th Anniversary Edition』全曲解説

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レビュー

2024.4.10

文/柴崎祐二


「1969年のドラッグレース」


みずみずしく躍動的でほろ苦い、これからの終わりを予感させる1曲



 数年前、映画『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』をスクリーンで観たとき、この曲が流れる一連のシークエンスで、とめどなく涙が溢れ出てしまった。もちろん、『EACH TIME』を通じて幾度も聴いてきた曲ではある。けれど、湯浅政明がアニメーション演出と作画を担当したその映像を観て、その豊かさと、そこに込められた感情の芳醇さに打ちのめされたのだ。大滝詠一の曲と歌、および松本隆の歌詞は、なによりもまず映像喚起的であり、しかもそのイメージはあまりに鮮烈であった。




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