2024年4月号|特集 大滝詠一 EACH TIME
⑦「銀色のジェット」|Disc1-7|『EACH TIME 40th Anniversary Edition』全曲解説
レビュー
2024.4.9
文/柴崎祐二
「銀色のジェット」
洗練極まるコード・ワークと重なる芳醇な弦アレンジが哀切のムードを醸成する
飛行機に乗って我が元を去っていく恋人を見送るひとり男。アルバム中もっとも湿り気を帯びた曲といえるが、メジャー7thコードを多用し、ただ哀しさをつのらせるだけでなく、浮遊し漂う心の微細なニュアンスが巧みに表現されている。あまりにもみごとなコード・ワークと歌詞の相互作用。またしても、元ゾンビーズのコリン・ブランストーンのアルバム『1年間』(’71年)に喩えてみたくなってしまう。
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