2024年4月号|特集 大滝詠一 EACH TIME

③「Bachelor Girl」|Disc1-3|『EACH TIME 40th Anniversary Edition』全曲解説

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レビュー

2024.4.3

文/柴崎祐二


「Bachelor Girl」


黄金期ハリウッドのメロ・ドラマ作品を思わせるアメリカン・ポップスの大盛り再解釈曲



 コード・ワーク、リズム、アレンジともに、ダイアナ・ロス&シュープリームスの有名曲「ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」へのオマージュを感じさせる。躍動と抑制が絶妙にバランスする演奏は、ファンク・ブラザーズとレッキング・クルーの中間地点とでもいうべきもので、(シンセサイザーによる)バリトン・サックスのソロも、モロに60年代モータウン風で楽しい。それ以外にも、雷のSEはカスケーズ「悲しき雨音」、メロディはブライアン・ハイランドの「ステイ・アンド・ラヴ・ミー・オール・サマー」を想起させるなど、まさに大滝以外の誰にも手がけられないであろう、アメリカン・ポップスの大盛り再解釈曲となっている。井上鑑による豪奢なストリングス、松本隆による映像喚起的な歌詞も、どこか黄金期ハリウッドのメロ・ドラマ作品を思わせる世界観だ。




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