2024年3月号|特集 作詞家の世界

⑱松井五郎|安全地帯『安全地帯IV』|作詞家名鑑・歌詞を味わう名盤

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レビュー

2024.3.27


安全地帯
『安全地帯IV』

1985年11月24日発売

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1. 夢のつづき
2. デリカシー
3. 碧い瞳のエリス
4. 合言葉
5. こしゃくなTEL.
6. 消えない夜
7. 悲しみにさよなら
8. 彼女は何かを知っている
9. ガラスのささやき
10. ありふれないで



必要以上に難解な語彙を使わずに平易な言葉遣いで豊かな詩情を醸し出す


 安全地帯、そして玉置浩二の音楽のあゆみを辿ることは、松井五郎が書いた歌詞を紐解いていく作業とほぼ同義と言っても過言ではない。そのキャリアに最初に火を付けたのは、自身のバック・バンドとして安全地帯を東京に引っ張り出し、共作をみごとにヒットさせた井上陽水の仕事と言えるが、油を注ぐように彼らの活動を加熱させたのが、松井の作詞であったとも捉えられよう。

 松井五郎という作詞家の特色は、決して必要以上に難解な語彙を使わず、あくまで平易な言葉遣いを基調にしながらもしっかりと聴き手の印象に残る歌を作り上げてみせる点にあり、このアルバムでもその持ち味が存分に活かされている。

文/村尾尚哉




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