2024年3月号|特集 作詞家の世界

⑮銀色夏生|大沢誉志幸『まずいリズムでベルが鳴る』|作詞家名鑑・歌詞を味わう名盤

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レビュー

2024.3.22


大沢誉志幸
『まずいリズムでベルが鳴る』

1983年6月22日発売

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1. e-Escape
2. サディスティック, Cafe
3. Jokeでシェイク
4. 宵闇にまかせて(Kiss & Kiss)
5. キッスはそこまで
6. 彼女には判らない(Why don't you know)
7. Deep Sleep
8. ベッドから Love call
9. プラトニックダンサー
10. まずいリズムでベルが鳴る



心象風景が目に浮かんでくるようなカラフルかつどこかオブスキュアな表現


 全曲の作詞を銀色夏生(「プラトニックダンサー」のみ柳川英巳との共作)、作曲を大沢誉志幸、編曲を大村雅朗(「プラトニックダンサー」のみ北島健二)が手がけた1stソロ・アルバム。このあと『SCOOP』『CONFUSION』と続く初期3作品の楽曲はすべてこのチームで制作されていて、ニュー・ウェイヴの時代の和製ポップスとしては録音、演奏、アレンジともにいずれも最高品質と言っていい。銀色夏生が女性の詩人であることは今では有名だが、当時はそのファンタジックなペンネームさながらに、心象風景が目に浮かんでくるようなカラフルかつどこかオブスキュアな表現がフェミニンな魅力を醸し出していて、最初にこの名前を知った時、筆者も一体どういう人なのか、と不思議に感じたものだった。そして、実際に化粧をしてスタイリッシュな当時の大沢誉志幸の雰囲気にピッタリと合っていたのだ。

文/岡村詩野




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