2024年3月号|特集 作詞家の世界

⑩阿久悠|ピンク・レディー『ピンク・レディーの不思議な旅』|作詞家名鑑・歌詞を味わう名盤

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レビュー

2024.3.14


ピンク・レディー
『ピンク・レディーの不思議な旅』

1979年8月5日発売

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1. オープニング・テーマ
2. リオの女王
3. チャイナ・タウン
4. 悲しき草原
5. 空とぶじゅうたんエロチカ
6. カルメン・シャワー
7. 恋愛印象派
8. 波乗りパイレーツ(U.S.A.吹込盤)
9. ナイルの赤い月
10. 女は勝負する
11. オリエンタル・フィーリング
12. 南太平洋
13. 惑星ハネムーン
14. エンディング・テーマ


奇想の旅路とともに多様な恋愛経験を経て成長し自立する女性の姿を描く

 世界一周をコンセプトに据えたこのアルバムは、すべての作詞を座付作家の阿久悠が担う一方、作・編曲にはバラエティに富んだ実力派の面々を迎えている。例えば、思わず腰が動くサンバ歌謡「リオの女王」は佐藤準、フレンチな意匠をまとった「恋愛印象派」は馬飼野康二、中華ディスコの「チャイナ・タウン」は梅垣達志、ハリウッドに挑む少女を描いた「女は勝負する」は和泉常寛が手がけている。本編最後の川口真によるフィリー・ソウル感あふれる「惑星ハネムーン」では、ついに大気圏を飛び出し宇宙へと飛び出してしまう。この1枚は、久保田早紀の「異邦人」、ジュディ・オングの「魅せられて」など、異国情緒に満ちた曲がヒットした時代相に対するピンク・レディーからの回答だったと言えよう。

文/下井草秀




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