2024年2月号|特集 筒美京平

①筒美京平 魅惑のラブ・サウンズ〜ソフトロック編|マイ・フェイヴァリット・テープ~プレイリスト

スペシャル

2024.2.1

選曲・文:馬飼野元宏



筒美京平 魅惑のラブ・サウンズ〜ソフトロック編



再生はこちら ▶

 筒美京平のソフトロック作品は、60年代終盤から70年代前半の時期に固まっています。海外のソフトロックの流行とほぼ時を同じくしており、リアルタイムで洋楽トレンドを歌謡曲に落とし込む、筒美ならではのアプローチと言えるでしょう。

 「いつか何処かで」はフィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ」の歌謡曲化。つなき&みどりもほぼ同時期に録音していますので、ぜひ聴き比べて。「美しい誤解」は全曲が筒美作品で構成された『20才まえ』から。伊東ゆかりも同様に、筒美京平が全面的に関わったアルバム『ふたたび愛を〜伊東ゆかり・筒美京平LOVE SOUNDS』収録曲。浅田美代子は「しあわせの一番星」のB面作で、ここから麻丘めぐみまで、女性アイドルとソフトロックの相性の良さを堪能できる流れになっています。特に岡崎友紀は筒美作品以外にもソフロ系が多く、「天使はこうして生まれるの」は橋本淳の詞が哲学的な内容です。
 
 筒美京平流ソフトロックは、女性シンガーの方が圧倒的に多いですが、男女デュオものにも魅力的なナンバーがあります。B面の冒頭3曲は、男女デュオ作品から選びました。「ミュージック・イズ・マイ・ライフ」にはジャズの匂いもありますので、同じ傾向としてベテラン朝丘雪路がさらりと歌う「ごめんなさい」を。「絵本の中で」はもともとソフロの牙城である米国A&Mの歌姫、クローディーヌ・ロンジェに’71年に提供した曲で、翌年、いしだあゆみがアルバム『ファンタジー』でカヴァーしました。「ひとりごと」は南沙織の『早春のハーモニー』収録曲ですが、ここでは筒美京平自身のソロワーク『青春のハーモニー〜未来から来た手紙』ヴァージョンを。英語詞による流麗なコーラスも聞きどころ。

 ラストは矢野顕子が在籍したザリバの唯一のシングルで、南沙織のカヴァーもありますが、ここでは森山良子版を。こう考えると、筒美流ソフトロックと最も相性が良かったのはシンシアということになるでしょう。




↑↑↑↑『筒美京平 アーカイブス 』スペシャルサイトはこちら↑↑↑↑


↑↑↑↑『筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967~1997 2013Edition 』スペシャルサイトはこちら↑↑↑↑


↑↑↑↑『ベスト・オブ・クライマックス 情熱の昭和ヒッツ 赤盤&青盤 』スペシャルサイトはこちら↑↑↑↑