2024年1月号|特集 ガールポップ’90s

【Part3】谷村有美 スペシャル・ロングインタビュー

会員限定

インタビュー

2024.1.31

インタビュー・文/まつもとたくお 写真/上飯坂一



【Part2】からの続き)


お世話になった全ての方にご恩返しをし、ヒット曲を出すのが目下の課題


――谷村有美さんはガールポップを代表する存在だとよく言われますよね。ご本人は当時どう思っていたのでしょうか。

谷村有美 ガールポップというのは、私にとって雑誌のタイトルです。それが一人歩きしてムーブメントになり、現在ではジャンルみたいになっている。すごいことですよね。これはソニー・マガジンズの『GiRLPOP』が作り、もたらした功績だと思います。素晴らしいことですし、音楽を志す女性アーティストにとって強い追い風になったのではないでしょうか。私がデビューした当時はアイドルとロックが席捲していました。そんな中、『GiRLPOP』という雑誌はいつも谷村有美を大きく扱ってくださって、しかもツアーやスタジオにも密着、ロケでの撮影も多かった。海外にも行かせてもらったし、『愛は元気です。』と『愛は元気です。2』は単行本から文庫にもなり、さらに写真集『オブリガーダ』はブラジルロケ。『谷村有美でよかった。』は長期間ほぼカメラと一緒に全国ツアーに。本当にありがたかったです。私にとってガールポップは、“谷村有美が出ていける場所”。メイクをきちんとして、いろいろなお洋服を着て、その時感じたこと見た景色を伝える。特にビジュアル面で新進気鋭のクリエイターの皆様と様々な挑戦をさせていただきました。刺激的で恵まれたありがたい経験でした。

――となると、違和感はあったわけですよね。

谷村有美 デビューのときに「谷村有美はアイドルですか、アーティストですか?」という質問がすごく多かった。今なら、「ありがとうございます。アイドル目指しています」って笑顔で答えちゃいますが、 当時は「どうして?」って。「アイドルってキラキラしたスターでしょ?」と思っていたので私自身とはかけ離れているような違和感がありました。



――今こうやってガールポップの牽引役としてクローズアップされるのはいかがですか。

谷村有美 牽引役かどうかは別にして、嬉しいですね、ガールポップという響きがとても好きです(笑)。とはいえ、ガールポップって非常に曖昧ですよね。“女流ポップ(な楽曲を作り歌う)アーティスト”ってことなのでしょうか。謎です。





谷村有美(たにむら・ゆみ)
●シンガー・ソングライター。’87年11月21日、シングル「Not For Sale」とアルバム『Believe In』でデビュー。ピアノを駆使し叩くように演奏するライブには定評がある。エッセイ、特にラジオ・FMプログラムでのDJとしての実績も多数。

「Tonight/HALF MOON」アナログ盤シングルが、アナログ盤復刻企画「オーダーメイド・ヴァイナル」にエントリー中。
https://www.sonymusic.co.jp/artist/YumiTanimura/

https://ameblo.jp/digi-yumi/
https://twitter.com/tanimurayumi
https://www.youtube.com/@yumitanimura_official

谷村有美オンラインコミュニティ「おしゃべりカフェ」では、毎週月曜日20時〜「それなりにプラス」好評配信中♡
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