2024年1月号|特集 ガールポップ’90s
【Part3】|ガールポップ'90s対談:長井英治×栗本斉
対談
2024.1.18
文/真鍋新一
(【Part2】からの続き)
たくましいディーヴァが出てくると、ガールポップはすごく軟弱な音楽に思われてしまった
――では、ここからは栗本さんの選んだ個人的な10枚を行ってみましょう。
FAIRCHILD
『せかいのうた』
1990年11月21日発売
栗本斉 女性ヴォーカルのロックバンドやユニットっていうのもガールポップの一系統だと思うんですよ。もちろん、リンドバーグも。そのなかでもFAIRCHILDはちょっと異色の存在でした。戸田誠司さんの書く楽曲がガーリーで、歌っているのがYOU。彼女が着ていたファッションも含めて、“女の子のうた!”っていうオーラをすごく感じていました。
長井英治 ゴーバンズやプリプリ(プリンセス プリンセス)、PINK SAPPHIREとか、NORMA JEANとか。ガールズバンドのブームも無視できないですよね。
栗本斉 なので、バンドの代表として挙げたところはあります。ちょっとマニアックなセレクトだと思いましたが……。
長井英治 でも、プリプリのようにメガヒットした人たちは結局ガールポップの枠に入れると浮いてしまうのはなんでだろう? 雑誌『GiRLPOP』にしても、表紙に出てくる超メジャーなアーティストとシーンには食い違いがあって、実際のガールポップ・シーンの本流は中面でしっかりインタビューが載っている人たちでした。
井上睦都実
『恋は水色』
1992年10月21日発売
栗本斉 僕のベストテンは半分くらい渋谷系が入っていますね。当時聴いていたものを思い起こすとやっぱりこういうセレクトになってしまうんです。その一番の象徴は井上睦都実でした。
長井英治(ながい・ひではる)
●1967年東京生まれ。1990年から2006年まで、都内大手CDショップにて勤務。その後は、音楽ライターとしてCDの監修等を手掛ける。2013年、書籍『日本の女性シンガー・ソングライター』刊行(シンコーミュージック)。現在、『ラジオ歌謡選抜』、『ファムラジオ』(FMおだわら)、『ミュージックチャージ』(InterFM)と、ラジオのレギュラー3本に出演中。その他、QVCに出演しソニーミュージックの通販BOXの販売も行っている。最新の仕事のひとつに、通販向けCD-BOX『春の歌~J-Spring~』の全曲解説などがある。
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栗本斉(くりもと・ひとし)
●音楽と旅のライター、選曲家。ウェブマガジン「otonano」エディター。1970年生まれ。レコード会社勤務時代より音楽ライターとして執筆活動を開始。退社後は2年間中南米を放浪し、帰国後はフリーランスで雑誌やウェブでの執筆、ラジオや機内放送の構成選曲などを行う。開業直後のビルボードライブで約5年間ブッキングマネージャーを務めた後、再びフリーランスで活動。2022年2月に上梓した『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社新書)が話題を呼び、各種メディアにも出演している。最新刊は2023年9月に発表した『「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社新書)。
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