2024年1月号|特集 ガールポップ’90s
【Part2】遊佐未森 スペシャル・ロングインタビュー
インタビュー
2024.1.16
インタビュー・文/前原雅子 写真/増永彩子
(【Part1】からの続き)
メールも携帯電話もなかったから、すべてが今と比べものにならないくらい大変だった
──ガールポップ全盛の90年代、遊佐さんにとって、その時期の活動を代表するような作品ということで言うといかがですか。
遊佐未森 ’90年以降のアルバムだと『HOPE』(’90年9月、4thアルバム)からになるんですけど、やはり『roka』(’97年2月、10thアルバム)でしょうか。このアルバムはアイルランドのダブリンで録ったんですけれど、ナイトノイズのメンバーを中心に、シャロン・シャノンとかドーナル・ラニーとか、そうそうたるアイリッシュ・ミュージシャンの方たちと一緒に作っているんですね。ジャケット写真は前作の『アカシア』(’96年1月、9thアルバム)に引き続き植田正治先生に撮ってもらって。この頃はちょっと文化的な仕事の現場にいることも増えてきていて、それで正治先生ともお会いしてアルバム2作のジャケット写真を撮ってもらうことになったんです。
遊佐未森
『roka』
1997年2月1日発売
──その『roka』というアルバムも、そもそも『水色』(’94年3月、ミニアルバム)があったからできた作品と言ってもいいですか。
遊佐未森 そうですね。『水色』はナイトノイズという、すごく好きなアイリッシュ・ミュージックのバンドと、当時彼らが住んでいたアメリカのオレゴンで最初から最後まで一緒に作った作品なんですけど。その後の自分の音楽を作るうえで本当に大きな節目になった作品です。でもこの頃の忙しさはちょっと異常だったと思います(笑)。
遊佐未森
『水色』
1994年3月21日発売
遊佐未森(ゆさ・みもり)
●仙台生まれ。1988年デビュー。一貫して質の高いアルバム制作をつづけ、天性のヴォイスときわめて独創的な音楽観が紡ぎだす歌の数々は、誰にも似ていない<遊佐未森の音楽>として日本のミュージックシーンにおける確固たるポジションを確立。2021年にはアルバム『潮騒』で新しい室内楽としての新機軸を開拓。そして2022年秋に開催されたアルバムツアー東京公演を収録したライブアルバム『潮騒UNLIMITED』(LIVE CD+Blu-ray)を2023年春にリリース。同年10月にはデビュー35周年を記念して『ALOHA MIMORITA LIVE SHOW at BUDOKAN Nov.10.1994』Blu-ray と、12月に『roka』アナログ盤をリリースした。
Mimori Yusa 35th Anniversary Concert
1月20日(土)仙台:宮城野区文化センターパトナホール
wasambon <遊佐未森+吉野友加>
1月27日(土)福岡:Gate’s7
1月28日(日)糸島:いとの森の歯科室
春恒例のコンサート“cafe mimo” 2024 開催決定!
4月6日(土)、7日(日)東京:草月ホール
※その他のエリアでは 5月に開催予定
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