連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「ラジ / HEART to HEART」

2024.1.15

今月のお題

ラジ/ HEART to HEART1977年


高校時代にROWという名前でデビューし、後にポニーテールに改名した女性フォークグループ。このメンバーだった相馬淳子が、紆余曲折を経てソロとなったのがラジである。しばらくはバックコーラスやCMの仕事をしていたが、高橋幸宏の強い勧めにより本格的にソロ・デビュー。記念すべき第一作である本作は、後藤次利と高橋幸宏がプロデュース。躍動感溢れるアルバム・タイトル曲「HOLD ME TIGHT」から加藤和彦作の名曲「気分を出してもう一度」まで、スタイリッシュなシティポップ・サウンドがたっぷりと詰め込まれている。なかでも、南佳孝とデュエットしたムーディーな「THE TOKYO TASTE」が極上だ。

たおやかな貴方の指の輪郭は 夜へ滲んでいきそうだったたおやかな貴方の指の輪郭は 夜へ滲んでいきそうだった



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。