2024年1月号|特集 ガールポップ’90s

ガールポップ’90s名鑑・名盤レビュー|①永井真理子『キャッチ・ボール』

レビュー

2024.1.5


永井真理子
『キャッチ・ボール』

1990年4月18日発売

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1. 23才
2.あの頃、哀しさは1/6
3.White Communication -新しい絆-
4.Way Out
5.ありがとうを言わせて
6.好奇心
7.ミラクル・ガール
8.ガリレオによろしく
9.キャッチ・ボール
10.今、君が涙を見せた
11.レインボウ


元気をハッピーに体現できる心と心のキャッチボール!

 ’87年7月にシングル「OH!ムーンライト」でデビュー。ボーイッシュで元気いっぱい、溢れる笑顔、当時そんなイメージが彼女のセールストークには必ず付いていた。

 今作品は’90年4月に発売され、3年間という短いスパンの中で次々リリースされた5枚目のアルバム。ヒットの予兆がシングル「Ready Steady Go!」辺りからあり、本作品収録の9枚目のシングル「ミラクル・ガール」で開花! 持ち前の明るさとミッドテンポの軽快なサウンドとキャッチーなメロディが彼女のイメージとドンピシャにハマった。

 また佐野元春作詞作曲のNHK『花の万博』イメージ・ソングの10枚目「White Communication -新しい絆-」がスマッシュ・ヒット。アルバム1曲目を飾る11枚目のシングル「23才」は制作した当時の彼女の年齢でもある(作詞は永井真理子本人)。

 本作はチャートの最高位2位をマークしているが、翌年に発売されたアルバム『WASHING』は初の1位を獲得。90年代のガールポップ全盛時代の初期から牽引した代表的アーティストの一人。’90年10月に発売されたシングル「ZUTTO」が、キャリア最大のヒットとなり、紅白歌合戦への初出場を果たしている。幾度かの休養を挟みながらも現在もボーイッシュで元気いっぱいに現役を継続中。

文/小澤芳一