2023年12月号|特集 西城秀樹

⑮『CRYSTAL LOVE』|復刻シリーズ[スタジオ]アルバム徹底Review

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レビュー

2023.12.21


西城秀樹
『CRYSTAL LOVE』

1982年7月21日発売

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1. STAR LIGHTS
2. 渚のセクシーラバーズ
3. ひき潮のように
4. CRYSTAL LOVE
5. BORN TO BE A STAR
6. 南十字星
7. 夕陽よ、俺を照らせ
8. 夏色の再会
9. SEXY & THRILL
10. 涙であなたがみえない


シティポップと歌謡曲の魅力を無限大に引き出す秀樹の歌唱

 とにかく、「ひき潮のように」が出色の名曲である。10㏄の「アイム・ノット・イン・ラヴ」のごとく敷き詰められたシルキーな多重コーラスと各種のエフェクターを駆使した柔らかなギターが包むアンビエントなサウンドスケープの中で、秀樹がせつなくメロウな極上の旋律を歌い上げる(ヴィジュアル系への影響が濃いとされる秀樹のヴォーカルだが、ここでの唱法は河村隆一に継承されていよう)。寄せては返す波の音や南国の鳥の声のサウンドエフェクトも配されたバレアリックなテイストは、ニューエイジ再評価の進む’23年の耳に心地よい。ぜひ、ハイエンドなイヤフォンを通して聴きたいテクスチャーだ。作詞の竜真知子、作曲の木戸やすひろ、編曲の松下誠(この当時は、秀樹の長年の盟友である芳野藤丸と共にAB’Sというバンドでツインギターを披露していた)がいずれもいい仕事をしている。

文/下井草秀




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