2023年12月号|特集 西城秀樹

⑩『永遠の愛 第7章』|復刻シリーズ[ライヴ]アルバム徹底Review

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レビュー

2023.12.14


西城秀樹
『永遠の愛 第7章』

1978年9月25日発売

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1. Love is Beautiful
2. 君よ抱かれて熱くなれ
3. Sweet Half Moon
4. その愛は
5. ラストシーン
6. 哀愁トゥナイト
7. さよならだけは言わないで
8. わかって下さい
9. 帰らざる日々
10. ブルースカイ ブルー


メランコリックかつドラマティックな舞台表現を追体験するライヴ盤

 シンプルこの上ないジャケットの印象からして、これまでのアルバムとは何かが違うことが直感できる。だって、今をときめくアイドルのLPでありながら、本人の写真がまったくあしらわれていないのだから。’78年11月に日本武道館で行われたこの公演では、秀樹扮する主人公が年上の人妻に恋をするというシチュエーションで、歌とモノローグが有機的にからみ合ったショーが繰り広げられた。つまり、『永遠の愛 7章』は、西城秀樹が中島みゆきの「夜会」をはるかに先取りしたパフォーマンスであったとも表現できる。プロセスとしては、禁じられた不義の愛を歌った「ブルースカイ ブルー」をまずはラストに置き、そこから遡及的に選曲が行われ、シナリオが練り上げられていったのだろう。冒頭の曲が終わるそのタイミングで、“ジュテーム”という絶叫と銃声から始まる物語は、まさにクロード・ルルーシュあたりが監督を務めたフランス映画のごとくメランコリックかつドラマティックだ。

文/下井草秀




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