連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「須藤薫 / PLANETARIUM」

2023.12.15

今月のお題

須藤薫 / PLANETARIUM1983年


オールディーズ風のポップスを歌わせたら、右に出る者がいない女性ヴォーカリスト。1979年にシングル「やさしい都会」でデビューし、松任谷由実のアルバム『SURF & SNOW』(1980年)にコーラスで参加したことで注目を集めた。本作は名盤の誉れ高い4枚目のソロ・アルバムで、作詞はすべて田口俊、作曲は1曲を除き杉真理、そしてデビュー当時から付き合いのある松任谷正隆がアレンジとプロデュースを手掛けている。「雨の遊園地」や「悲しき恋のマンデイ」といった佳曲が揃っているが、昨今のシティポップ視点ではメロウ・グルーヴのウィンター・ソング「フロントガラス越しに」の人気が高い。

うしなってしまった恋の数ほどの 星がひしめく冬の夜更けはうしなってしまった恋の数ほどの 星がひしめく冬の夜更けは



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。