2023年12月号|特集 西城秀樹

①『西城秀樹 オン・ステージ』|復刻シリーズ[ライヴ]アルバム徹底Review

レビュー

2023.12.1


西城秀樹
『西城秀樹 オン・ステージ』

1973年6月15日発売

購入はこちら ▶

1. オープニング~グッド・ゴーリー・ミス・モーリー~ジョニー・ビー・グッド
2. ママはダンスを踊らない~タイム・ツウ・クライ
3. 質問コーナー
4. ブルー・スウェード・シューズ~トライ・ミー~アイ・ビリーブ・イン・ミュージック
5. 恋する季節~恋の約束~チャンスは一度
6. 青春に賭けよう~絶叫~さよならの歌~ヘイ・ジュテーム


単なるアイドルには終わらない才能が横溢した初のライヴ・アルバム

 大阪毎日ホールでのデビュー1周年記念コンサートの模様を収めた、初のライヴ・アルバム。洋楽のセンスを自家薬籠中の物とし、すでにして単なるアイドルには終わらない才能が横溢している。例えば、「ジョニー・B・グッド」「ブルー・スウェード・シューズ」といったロックンロールの定番カヴァーを聴いても、ロカビリーからグループ・サウンズ時代にかけて活躍した歌い手たちの、どこかドメスティックなテイストとは違うリズム感が伝わってくるだろう。いわゆる8ビートを、きちんと体得しているのだ。

 「アイ・ビリーブ・イン・ミュージック」は、カントリー・シンガーであるマック・デイヴィスの楽曲に沢田研二が日本語詞をつけたもの。ジュリー自身以外にも、キャンディーズや野口五郎が歌い継いだ、この時代の歌謡界における知られざるスタンダードである。客席のファンたちから寄せられた質問とそれに対する答えを即興でワルツ調の歌に仕立て上げる「質問コーナー」もおもしろい。他愛ないやり取りが多いわけだが、“いつまで歌手を続けますか”という問いに、“この人生が尽きるまで歌いますよ”と歌って答えるくだりは、秀樹のヒストリーを最後まで見届けた今になって聴くと、ちょっと特別に響く。

文/下井草秀




↑↑↑↑西城秀樹 デビュー50周年記念アルバム復刻 スペシャルサイトはこちら↑↑↑↑