2023年11月号|特集 はっぴいえんど+URCレコード

⑲あがた森魚『噫無情(レ・ミゼラブル)』|はっぴいえんど関連作品ディスクレビュー

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レビュー

2023.11.29


あがた森魚
『噫無情(レ・ミゼラブル)』

1974年3月25日発売

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1. 蒲田行進曲’74
2. 永遠のマドンナ K
3. キネマ館に雨が降る
4. 「噫無情」組曲
5. 星のふる郷
6. 元祖ラジヲ焼き
7. 上海リル
8. はいからはくち
9. モンテカルロの珈琲店(小さな喫茶店)
10. 月曜日のK
11. 最后のダンスステップ(昭和柔侠伝の唄)
12. 大寒町
13. テレビヂョン


ロマンティストたる、あがた森魚の真骨頂と言える代表作

 はちみつぱいの『センチメンタル通り』のレビュー原稿では触れなかったが、本作もURCからのリリースではなくベルウッド。URCとベルウッドの関係については長くなるのでここでは割愛するが、キング・レコード内に社員の三浦光紀が立ち上げたフォーク/ロック系のレーベルとしてURCと共に70年代に大きな功績を残した。そのレーベル第1弾として’72年4月25日に発売されたのが、あがた森魚の「赤色エレジー」。その「赤色エレジー」を含むアルバム『乙女の儚夢』は同年9月にリリースされた。

 本作はそれに続くアルバムで、旧知のはちみつぱいの面々がバックを務めているほか、すでに正式解散していたはっぴいえんどの松本隆がプロデュースしている。同じく元はっぴいえんどの鈴木茂、矢野誠、後藤次利、そして11曲目「最后のダンスステップ(昭和柔侠伝の唄)」には、キネマ/映画をテーマとする作品らしく緑魔子が参加。あがたの映画、映像好きが早くも開花したカラフルかつ叙情的な素晴らしいアルバムとなっている。個人的にもあがたの作品では本作を最もよく聴いた(ている)。

文/岡村詩野




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