2023年11月号|特集 はっぴいえんど+URCレコード
⑰はちみつぱい『センチメンタル通り』|はっぴいえんど関連作品ディスクレビュー
レビュー
2023.11.27
はちみつぱい
『センチメンタル通り』
1973年10月25日発売
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1. 塀の上で
2. 土手の向こうに
3. 僕の倖せ
4. 薬屋さん
5. 釣り糸
6. ヒッチハイク
7. 月夜のドライブ
8. センチメンタル通り
9. 夜は静か通り静か
土着性ある音作りと少し引き摺るようなタイム感が特徴のムーンライダーズ前日譚
井出情児によるジャケット写真は東京の蒲田の当時のある一角を写したもの。向かって左側でサニー・ボーイ・ウィリアムソンのジャケットさながらに、(冷蔵庫に)もたれているのはあがた森魚だ。最初こそ、そのあがたのバック・バンドのような体裁だったが、“あがた精神病院”、“蜂蜜ぱい”など名前を変えていく流れの中で、次第に独立したバンドとして存在感を纏うようになる。そのあがたと共に結成時から力を発揮していたのが、蒲田からほど近い大田区は羽田出身の鈴木慶一。のちにムーンライダーズへと発展させていく鈴木慶一にとって、わずか4年程度で役目を終えたはちみつぱい唯一のこのオリジナル・アルバムは、東京は東京でも南のフリンジ、城南エリアへの愛着と誇りを伝える1枚と言ってもいいだろう。このあたり、『風街ろまん』のジャケット内側で都内ど真ん中である霞町交差点付近の都電を描いていたはっぴいえんどとは同じ東京のバンドでも目線が少々異なる。タイトル曲である8曲目の歌詞に登場する“袋小路”“機械油”“電線”“プラットホーム”といった単語が想起させるのは、洒落た風情の人々が行き交う都心ではなく汗にまみれた労働者たちが暮らす蒲田。多摩川を越えたら、もうそこは川崎市……という東京の南の外れの風景だ。
文/岡村詩野
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