【Part4】金延幸子ロングインタビュー｜otonano ウェブで読める大人の音楽誌

2023年11月号｜特集　はっぴいえんど＋URCレコード

【Part4】金延幸子ロングインタビュー

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インタビュー

2023.11.27

文／荒野政寿

（【Part3】からの続き）

フィリップ・K・ディックとの交流から生まれた『Fork in the Road』

――『み空』の「はやぶさと私」は歌もギターも完全に一発録りだったと聞いて驚きました。

金延幸子　あの曲はアルバムをレコーディングしている間に書きました。ノートに詞が全部書いてあって、それを置いて見ながら歌っていて。ギターを弾くことに、本当にフォーカスしているでしょ。（エンジニアの）吉野金次さんから「もう一回やる？」と言われたけど、二度目はとてもできなかったです（笑）。だから一発だけ。

――あの曲は、夫になる音楽評論家のポール・ウィリアムズさんと出会ってから書かれた曲なんですよね。

金延幸子　はい、ポールと付き合っていて、日本を離れる話が出てきた頃に書きました。

――『み空』には、ポールさんと出会ってからの曲もいくつか入ってまいすよね。

金延幸子　3曲ぐらいあります。「春一番の風は激しく」もそうですね。ポールが海のそばに住んでいたので、その頃の想い出と重なる曲です。

――また、今では金延さんの代表曲になって親しまれている「青い魚」が、今回ヴィム・ヴェンダースの映画『PERFECT DAYS』でも使用されることになったわけですが。今もライヴのレパートリーであるこの曲を、どんなお気持ちで歌われているんでしょうか？