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2023年11月号｜特集　はっぴいえんど＋URCレコード

⑭中川イサト『1970年』｜URCレコード名盤ディスクレビュー

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レビュー

2023.11.21


中川イサト
『1970年』
1973年2月1日発売

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1. その気になれば
2. いつもと同じ
3. 西風 -Instrumental-
4. フォルクスワーゲンに乗って
5. 俺が旅から帰った時は
6. 今日はまるで日曜日
7. 街の海
8. ティータイム
9. 童謡「ふゆのうた」（あるいは電気コタツのコマーシャル）
10. ごきげんよう友部君
11. 無 -Instrumental-


名盤2作の間に位置するプライヴェート感が漂う覚醒直前の1枚

　昨年死去した日本のソロ・アコースティック・ギタリストのパイオニア。その1stソロ・アルバムなのだが、タイトル通り’70年の録音なのにリリースは’73年。制作当初は発表すら想定していなかったかもしれない発掘音源だ。事実、全編に渡ってプライヴェート感が漂っており、録音状態もあまりよくなく、演奏自体も弛緩した印象。極めつけにインストゥルメンタル「無」は新たに取り入れた琵琶でただ遊んでいるような様子の中、イサトが録音の感想を述べてアルバムがフェードアウトしてしまう（その中で「普通のレコードみたいに完全なものではないですけども」とも言っている）。

文／峯大貴



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