2023年11月号|特集 はっぴいえんど+URCレコード

⑤藤原秀子『私のブルース』|URCレコード名盤ディスクレビュー

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レビュー

2023.11.8


藤原秀子
『私のブルース』

1970年12月1日発売

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1. いつかはこの世も
2. 去りゆくものは
3. お前なんか
4. 別れ
5. 愛ある世界へ
6. 二人で歩けば
7. 私に電話を下さいネ
8. 一番星みつけた
9. 私のブルース
10. 明日に続く道
11. 私の唄


虚落ち着いたアルト・ヴォイスで紡がれた元五つの赤い風船による唯一のソロ作

 五つの赤い風船の歌声は、西岡たかしと藤原秀子のふたりの声のブレンディングによって成り立っていた。ハイトーンのきれいな西岡の声に、藤原のアルト・ヴォイスか絡んでいく。これこそが赤い風船サウンドだった。

 その藤原秀子が’70年12月に発表した唯一のソロ・アルバムが、この『私のブルース』だ。彼女の心に残る歌声が堪能出来る作品集となっている。あえて西岡たかしを介さず、元ジャックスの木田高介によるサウンド・ディレクションで制作された。参加メンバーは、神谷重徳、大野俊三、宮沢昭一など、ジャズ系のミュージシャンが多い。唯一、五つの赤い風船からマルチ・インストゥルメンタリストの東祥高がレコーディングに加わっているが、器楽演奏には参加せずアレンジとディレクションのみだというのがおもしろい。これもまた五つの赤い風船とは違った色合いを出そうという試みでもあったのだ。

文/小川真一




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