2023年10月号|特集 キャンディーズ

レビュー|ALBUMS|⑬早春譜

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レビュー

2023.10.30


キャンディーズ
『早春譜』

1978年3月21日発売

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Disc.1

1. 買い物ブギ
2. エプロン姉さん(マキちゃんに捧げる唄)
3. 猫と兄貴
4. おとうさん あなたへ
5. For Freedom
6. アンティック ドール
7. Moonlight
8. ろうそくの灯に…
9. 鏡の中で
10. 悲しみのヒロイン

Disc.2

1. 私の彼を紹介します
2. 季節の別れ
3. 一番星さん
4. なんとなく
5. 午前零時の湘南道路
6. 黄色いカヌー
7. ささやき
8. Please Come Again
9. It's Vain Try To Love You Again
10. あこがれ



3人が思いのままに音楽と向き合ったラスト・アルバム

 解散前の最後のオリジナル・アルバム。と聞くと、やおらセンチメンタルな内容を想像しがちだし、実際“早春譜”なんてタイトルもなにやら卒業を連想させたりもするが、これが意外にメンバー3人が結構のびのびと好きなことをやっている才気煥発な作品だ。ディスク2枚すべてメンバーによるオリジナル曲(作曲や編曲などでサポートはされているが)。ディスク1のサイドA(1~5)はミキちゃん、サイドB(6~10)はランちゃん、ディスク2のサイドA(1~5)はスーちゃん、サイドB(6~10)は3人が分け合う形でそれぞれがそれぞれの領域、フィールドで生き生きと自作曲を披露していて、ファンにとっては解散前の複雑な心境ながらも聴いていて手応えも大きかったのではないかと想像できる。ある種、ザ・ビートルズの『ホワイト・アルバム』さながらにメンバーのソロ曲を合体させたような作品だが、意外にも散漫な印象はない。

文/岡村詩野



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