2023年10月号|特集 キャンディーズ

レビュー|ALBUMS|⑪キャンディ・レーベル

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レビュー

2023.10.25


キャンディーズ
『キャンディ・レーベル』

1977年9月1日発売

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(旧サイドA)
1. 気軽な旅
2. 愛していればこそ
3. ふたりのラヴ・ソング
4. オレンジの海
5. ガラスの星
6. 暑中お見舞い申し上げます

(旧サイドB)
7. ふりむかないで
8. 明日になれば
9. 恋のバカンス
10. こっちを向いて
11. 恋のフーガ
12. 愛のフィナーレ

(旧キャンディ・レーベル[コンパクト盤])
13. キャンディ
14. キャンディ・ツイスト
15. キャンディ・サンデー
16. シュガー・キャンディ・キッス



ザ・ピーナッツや洋楽のカヴァーを中心とした解散発表後の変則的な1枚

 ’77年7月17日の日比谷野外音楽堂でのコンサートでランちゃんが“普通の女の子に戻りたい”とオーディエンスの前で宣言。その約1か月後にリリースされたのが本作で、ファンとしてはとても複雑な思いで手にしただろうアルバムだ。だから、というわけでもないだろうが、パンチの効いた大ヒット曲「暑中お見舞い申し上げます」(作詞:喜多條忠、作曲:佐藤寿一、編曲:馬飼野康二)以外のサイドAは全体的に少しおとなしめ……というか落ち着いたバラードが多く、どことなくウェットな雰囲気に覆われている。その中では吉田拓郎のプロデュースでデビューしていたフォーク・グループ“猫”の常富喜雄が作曲した「気軽な旅」のニューミュージック・テイストがフレッシュでいい(常富は後年“Part 2”としてボックスセットに収録される「暑中お見舞い申し上げます」の別ヴァージョンも作曲している)。

文/岡村詩野



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