2023年10月号|特集 キャンディーズ

レビュー|ALBUMS|⑦春一番

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レビュー

2023.10.16


キャンディーズ
『春一番』

1976年4月1日発売

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1. 恋はふわふわ
2. オムレツをつくりましょう
3. 待ちぼうけ
4. 内緒のおはなし
5. 恋のあやつり人形
6. 春一番
7. ハートのエースが出てこない
8. 弱点みせたら駄目よ
9. 朝のひとりごと
10. 恋の臨時ニュース
11. PAPER PLANE LOVE
12. ラッキーチャンスを逃がさないで



彼女たちの勢いある状況を端的に伝える快活で華やかなムード

『年下の男の子』に収録されていた「春一番」のシングル化と、そのニュー・ヴァージョンである本作の「春一番」に象徴的なように、ブラス・サウンドが強調されたアルバムだ。60年代から70年代にかけてのシカゴ、バッキンガムス、ブラッド・スウェット&ティアーズやアル・クーパー……といったブラス・ロック、ホーンを用いたソフト・ロックを音作りのお手本にしたような、軽やかで力強い曲が多く並んでいる。これは「年下の男の子」のヒット以降、人気グループとなっていた彼女たちの勢いある状況を端的に伝えていて、これまでの作品に通底していた少しウェットで翳りある表情──もちろん、それがキャンディーズの良さの一面ではあるのだが──以上に快活で華やかなムードを演出することとなった。。

文/岡村詩野



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