2023年10月号|特集 キャンディーズ

レビュー|ALBUMS|⑥10000人カーニバル

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レビュー

2023.10.13


キャンディーズ
『10000人カーニバル』

1975年12月21日発売

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1. あなたに夢中(ライブ ヴァージョン)
2. 危い土曜日
3. 内気なあいつ
4. バイ・バイ・センチメンタル
5. 片想いの午後
6. 悲しきためいき(ライブ ヴァージョン)
7. その気にさせないで
8. 年下の男の子
9. プラウド・メアリー
10. アイ・ビリーブ・イン・ミュージック(ライブ ヴァージョン)



初々しくもプロ根性が感じられるキャンディーズの真髄となるライヴ盤

 キャンディーズ初のライヴ・アルバム。’75年10月19日に蔵前国技館で開催された“10,000人カーニバル”の様子が収録されている。’75年と言えば2月に「年下の男の子」が大ヒットして人気が急上昇、キャリアの中で大きなターニング・ポイントとなった年。その後も「内気なあいつ」「その気にさせないで」といったシングルをリリース、この日のライヴでもデビュー曲「あなたに夢中」や「危い土曜日」などを含めたそれらシングル曲の多くを披露していて、この時点でのほぼベスト的内容だ。“私たちはまだ賞をもらっていないけれど……”といったMCを聞かせる場面からは、彼女たち自身が成功を渇望していたことにも気付かされるし、一方で丁寧にオーディエンスに語りかけ、ファンも掛け声、声援をキッチリと曲に合わせて飛ばしていて、すでにファンとの関係がとても良好だったこともよくわかる。加えて、誤魔化しのきかないライヴでここまでしっかりハーモニーを聴かせているのには改めて驚かされるばかりだ。

文/岡村詩野



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