連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「サーカス / NEW HORIZON」

2023.10.16

今月のお題

サーカス /NEW HORIZON1979年


日本のコーラスグループといえば、ハイ・ファイ・セットと並んでサーカスが筆頭に挙がるだろう。姉弟といとこという組みあわせの4人で結成し、1978年に本格的にデビュー。本作は「Mr.サマータイム」が大ヒットし、その後の「アメリカン・フィーリング」もお茶の間をにぎわせた後に発表したセカンド・アルバムである。坂本龍一、鈴木茂、佐藤博といったビッグネームがアレンジを手掛け、YMO一派から村上秀一、松原正樹といった錚々たるトップ・ミュージシャンが参加。ゴージャスなサウンドでスタイリッシュなハーモニーを引き立てている。ディスコやレゲエなどのリズムに乗って、旅気分にさせてくれるナンバーが満載の傑作だ。

リュックだけ背負い路肩に佇めば 立てた親指を風がかすめてリュックだけ背負い路肩に佇めば 立てた親指を風がかすめて



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。