2023年10月号|特集 キャンディーズ

レビュー|ALBUMS|④年下の男の子

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レビュー

2023.10.5


キャンディーズ
『年下の男の子』

1975年4月21日発売

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1. 春一番[アルバム・ヴァージョン]
2. 涙色の幸福(しあわせ)
3. のらいぬ
4. 若い日のひととき
5. 年下の男の子
6. 悲しきためいき
7. くちづけのあと
8. 優しいだけじゃいや
9. 愛の瞬間
10. 卒業
11. 私だけの悲しみ
12. 愛のとりこ



キャンディーズの黄金時代到来を予感させる穂口雄右とのタッグのはじまり

 キャンディーズの人気を決定づけたのは5枚目のシングル「年下の男の子」(’75年2月発売)。チャート9位となったことから『NHK紅白歌合戦』にも正式に出場するに至った。この曲がヒットした背景にはいくつかの要因があり、例えばランちゃんがセンターになりメイン・ヴォーカルをとったこともそのひとつ。それまでセンターだったスーちゃんの歌唱力は抜群だったが、“年下の憎いアイツに惹かれる少しお姉さんの彼女”という歌詞の設定にランちゃんのイメージはピッタリだった。そして何より、アルバムでは前作にあたる『なみだの季節』からソングライティングに関わるようになった穂口雄右とキャンディーズの相性の良さがこの曲で爆発したことが大きい。その影響もあったのか、半数は洋邦カヴァーで占められていたアルバムは、本作で初めてオリジナル曲だけで構成されるスタイルとなり、ここでは穂口が8曲を作曲・編曲、もしくは編曲で関わっている。

文/岡村詩野



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