2023年9月号|特集 TM NETWORK
【Part4】小室哲哉|TM NETWORKスペシャル・パーソナル・インタビュー
インタビュー
2023.9.22
インタビュー・文/ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)|2023年8月25日@都内某所にて

(【Part3】からの続き)
「自分の中でのフルスロットルで向かうことを今は目標にしています」
―― 全国ツアーもはじまり、新曲もリリースということで、TMの新しい季節がやってきました。今回、ウツさんと木根さんにもそれぞれ事前に濃いインタビューをしています。それぞれちょっと違う角度から、いろんなお話を伺いました。それこそ3人は、TM NETWORKを結成から40年という長い時間が経過しています。メンバーのふたりについて、小室さんからのお話を聞きたいのですが、まずはウツさんについて、あらためてどんな方なのか? どんなボーカリストなのか? 教えてください。
小室哲哉 出会った10代の頃から現在の60代まで一緒にやってきているけど、僕は歌というものは、人だったら普通に口ずさんだり、自然に歌ったりできる当たり前のものだと思っていたんですよ。それぞれの時代でも歌というものは存在するしね。たとえば幼少期に歌うということは人間誰しもができる当たり前のこと、だったりするでしょ? 10代では、歌がうまい子は歌っていて当然だよねという感じで。それが20代になると、センターというか真ん中でみんなの注目を浴びて声を出すっていう、少しばかり重圧を感じるようになります。30代ではどちらかというと、誤解を恐れずに言えば負というか、大変なことや本当に歌うことの意味を理解することが増えていく。それが40代、50代では、積み重なってくる経験がもっともっと増えていく……。
―― それは深いですね。
小室哲哉 ……歌は人が発するものだからね。僕自身も自分が今、ライヴで歌うこともあるので、そういうことがわかるようになって。そうやって思い返していくと、TMの曲でウツはよくあそこでブレスしないであそこまで歌ってくれていたなとか、なぜあそこで1小節ブレイクを作ってあげなかったんだろうかとか、なぜあんな転調の前に転調しますよという音を入れてあげなかったのかとか……考えるようになりました。半音上がる転調というのが昔の歌謡曲では普通だったのに、僕はそれを崩したひとりでもあると思うんですね。「My Revolution」で3度、4度転調して、しかも下がる転調というのは調は下がるんだけど、歌は上がってるという……。下に下がっているオクターブ上を歌うという手法なんですけど。それをTMに持ってきちゃった。そして、それを何事もなかったかのようにウツは歌ってくれているんだということが、歳を重ねるごとに、振り返れば振り返るほど、強く感じています。たとえば、「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)」のBメロとか、「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」のサビから間奏にいくところとか、ありえない転調だと思うんですよ。まあ、その後ね、今のボカロ世代の人たちは特殊ですから、そういうことが当たり前かもしれないけど。

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【Part3】小室哲哉|TM NETWORKスペシャル・パーソナル・インタビュー
インタビュー
2023.9.15