2023年9月号|特集 TM NETWORK

【Part3】木根尚登|TM NETWORKスペシャル・パーソナル・インタビュー

会員限定

インタビュー

2023.9.15

インタビュー・文/ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)|2023年8月12日@都内某所にて


【Part2】からの続き)

「65歳になって<Get Wild>のギターを猛練習すると思いませんでしたね(笑)」


―― もうひとつお聞きしたいのが、「TIMEMACHINE」が生まれた瞬間のエピソードを教えてください。

木根尚登 起承転結というか、その時代に応じた曲の作り方や影響を受けた曲があるんですよ。吉田拓郎さんだったら、フォークでAメロとBメロしかなかったり。Aだけで10何番目まであったりとか。僕もいろんな楽曲を作ってきましたけど、「TIMEMACHINE」を作った頃は、フォークからちょっと洋楽の70’sポップス&ロックに行きつつ歌謡曲も根底にあったかな。今思えば、「TIMEMACHINE」もてっちゃんのプロデュースで、あの構成になったんです。「TIMEMACHINE」って、A歌って、B歌って、またA歌って、B歌ってと3回くらいそれを繰り返しているんですよ。それをてっちゃんが、ぐっとシンプルにA歌って、B歌って、サビ歌って、間奏になって、またサビが来て、またAがきて終わるっていう。小室哲哉という、後にヒットメーカーとなる片鱗のあらわれというか。その頃、まだTMもはじまってないし、僕もウツも小室君の才能をまだ全部はわかってなかったんですよ。もちろんすごいなとは思っていたけどね。

―― 長い歴史あっての関係性ですね。

木根尚登 てっちゃんは、そういう風にアレンジするんだなぁって思いました。これはよく話してきましたけど、僕が書いた「1/2の助走」なんて、もともとは超アップテンポの曲でしたから。デモを聴かせたら“これバラードにしようよ!”って言われて。そして、グーンとテンポを落としてバラードになったときに、本当に最初のキネバラが生まれたんです。そんな意味では「TIMEMACHINE」のときも、僕も“なるほどね。そういう構成もいいな”と思えたので。もし僕が我が強い人間だったら、“いやいや、A、B、A、Bって3回歌いたいんだよ”と言っていたかもしれない。そしたら彼は“そんないっぱい歌詞を書けないよ”って言われてたかもしれないから。「TELEPHONE LINE」なんかもそうじゃないかな。でも、本当にあれがきっかけというか、彼がバラードにしようとか、曲の構成も変えてしまう。TMの中で僕の楽曲に関して言えば、そういうところがTMらしさへと繋がっていったんだと思っています。


TM NETWORK
『DEVOTION』

2023年6月14日発売






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9月21日(木)TM NETWORK 『CAMP FANKS '89 at YOKOHAMA ARENA』(劇場版5.1chデジタル・リマスター)
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