連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「ブレッド&バター / Late Late Summer」

2023.9.15

今月のお題

ブレッド&バター /Late Late Summer1979年


湘南サウンドを代表するブレッド&バターは、岩沢幸矢と岩沢二弓の兄弟デュオ。1969年にデビューして以来、フォーク、シティポップ、AORなど様々な音楽性を取り入れつつも、その不変のハーモニーでファンを魅了し続けている。本作は、アルファレコード移籍第一弾の4thアルバムで、松任谷正隆、林立夫、鈴木茂、佐藤博といった豪華ミュージシャンが参加。呉田軽穂(松任谷由実)が詞曲を手掛けた「あの頃のまま」が有名だが、細野晴臣がアレンジを手掛けたクールな「SUMMER BLUE」やディスコ・テイストの「青い地平線-BLUE HORIZON」など聴きどころが多く、夏の終わりに浸りたい洗練された作品だ。

君のいた真夏の海の青色は 夜明けの空のように脆くて君のいた真夏の海の青色は 夜明けの空のように脆くて



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。