2023年9月号|特集 TM NETWORK
①『RAINBOW RAINBOW』|TM NETWORK アルバムWorks
レビュー
2023.9.1
TM NETWORK
『RAINBOW RAINBOW』
1984年4月21日発売
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1. カリビアーナ・ハイ
2. クロコダイル・ラップ(Get away)
3. 1/2の助走(Just for you and me now)
4. 1974 (16光年の訪問者)」
5. クリストファー
6. イパネマ'84
7. 金曜日のライオン(Take it to the lucky)
8. RAINBOW RAINBOW(陽気なアインシュタインと80年代モナリザの一夜)
9. パノラマジック(アストロノーツの悲劇)
TM NETWORKの始まりの物語が凝縮された1枚
1984年4月21日にシングル「金曜日のライオン (Take it to the lucky)」でデビューを果たし、来年40周年を迎えるTM NETWORKの記念すべきデビューアルバム。
ジャケットには、メンバーの姿は見当たらない。そにこいるのはピンクのバックにイカしたワニの少女が1人。ニューロマンティック調のサウンドとラップが光る「クロコダイル・ラップ」からのモチーフだが、これだけではどんなアーティストなのかまったく分からない……。当時、レコード店の棚で目にするたび、その挑戦的で斬新なアートワークに驚いた。
アルバム『RAINBOW RAINBOW」は、TM NETWORK作品の中でも、洋楽的要素を色濃く感じさせる。キラキラした光が舞うファンタジー世界を描いた2ndシングル「1974(16光年の訪問者)」、アース・ウィンド&ファイアーのサウンドを壮大にしたようなイメージで制作したというデビューシングル「金曜日のライオン(Take it to the lucky)」、TM NETWORKとしては珍しいタッチのしっとりした大人サウンドが光るシティポップ「クリストファー」。どの曲も色褪せることなく、それはむしろ今なお新しい楽曲のように心に響いてくる。タイトルチューン「RAINBOW RAINBOW(陽気なアインシュタインと80年代モナリザの一夜)」は、サイケデリックなサウンドが印象的で、一見トリッキーにも聞こえるサウンドが、西門加里(小室みつ子のペンネーム)のポップでファンタジーな歌詞によって、心地よく聴こえてくるから不思議だ。ラテンにダンス、ラップなど、とにかくバラエティにとんだエレクトロポップな楽曲たちをボーカル・宇都宮隆が見事に歌い上げている。
そして、特筆すべきことが一つ。木根尚登作曲の「1/2の助走(Just for you and me now)」だ。これはもともとアップテンポな曲だったが小室哲哉が構成を変え、AOR的バラードに生まれ変わらせたものだ。このエピソードはのちに木根のバラードがキネバラと呼ばれ、多くの人から愛されていくそんな布石のようにも感じられる。小室は木根の曲が持つ、美しくて温もり溢れるメロディーの魅力に気づき、この曲はもちろん、木根をバラードの方向へと導いていったのかもしれない。
まさにTM NETWORKの始まりの物語が、凝縮された1枚だ。
文/村上あやの
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9月21日(木)TM NETWORK 『CAMP FANKS '89 at YOKOHAMA ARENA』(劇場版5.1chデジタル・リマスター)
10月12日(木)TM NETWORK 『TMN final live LAST GROOVE[5.18]』(劇場版5.1chデジタル・リマスター)
10月19日(木)TM NETWORK 『TMN final live LAST GROOVE[5.19]』(劇場版5.1chデジタル・リマスター)
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②『CHILDHOOD'S END』|TM NETWORK アルバムWorks
レビュー
2023.9.4