連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「CASIOPEA / MINT JAMS」

2023.8.15

今月のお題

CASIOPEA /MINT JAMS1982年


フュージョン・ブームを牽引したスーパー・グループのCASIPEA。野呂一生(ギター)、向谷実(キーボード)、櫻井哲夫(ベース)、神保彰(ドラムス)という4人によるテクニカルなアンサンブルの絶頂期を記録した作品が本作である。2日間にわたって行われたライヴの音源をスタジオに持ち込み、生演奏の熱気はそのままに拍手やMCを省き、入念なミックス作業によって仕上げられた。代表曲の「朝焼け」を筆頭に、ライヴならではの躍動感に満ちた演奏がベストな選曲で楽しめる。昨今では海外での人気も高く、ポップな色使いのアートワークと共に、シティポップの観点から評価されることも多い傑作だ。

朝焼けが刻一刻と移りゆく 眠れぬ僕のこころを残し朝焼けが刻一刻と移りゆく 眠れぬ僕のこころを残し



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。