連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「山下達郎 / FOR YOU」

2023.7.14

今月のお題

山下達郎 /FOR YOU1982年


山下達郎が名実ともに頂点を極めたRCA/AIRレーベル時代の金字塔。青山純、伊藤広規のリズムセクションを筆頭にツアー・メンバー中心のバンド・サウンドを完成させた到達点でもある。カッティング・ギターが印象的な「SPARKLE」や、CMに使用された「LOVELAND, ISLAND」といったアッパーなナンバーが印象深いが、竹内まりやに書き下ろした「MORNING GLORY」、クールなファンク・チューン「LOVE TALKIN' (Honey It's You)」、ライヴのラスト・ナンバーとしておなじみの「YOUR EYES」と名曲揃い。鈴木英人のカヴァー・アートを含め、トータリティの高い内容は国内外で高く評価されている。

夕立が街を濡らして去るように 過ぎてしまったひと夏の恋夕立が街を濡らして去るように 過ぎてしまったひと夏の恋



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。