2023年7月号|特集 山下達郎 RCA/AIR YEARS

第1回:JQ(Nulbarich)|私が好きな山下達郎RCA/AIR YEARS

スペシャル

2023.7.3

文/JQ(Nulbarich)



私が好きな山下達郎RCA/AIR YEARS ベスト3


1. 「RIDE ON TIME」 from Album 『RIDE ON TIME』(1980年)
2. 「SPARKLE」 from Album 『FOR YOU』(1982年)
3. 「DANCER」 from Album 『SPACY』(1977年)

 僕自身トラックメイカーというのもあって、山下達郎さんの楽曲達は “全て教科書の様な存在” です。どうしたらこんな素敵な楽曲が創れるのか、自分の曲と比べては消し、何度も照らし合わせた記憶が今でも蘇ります。

 音色、フレーズ、展開、コーラスワーク、ミックスバランス等、全てにおいてズバ抜けたセンスを持ちながら妥協のない音作り、こだわりの詰め込み方、曲に対して真剣に向き合って生まれた色んな要素が音源に滲み出ているところが、僕にとって “アーティスト山下達郎” の最大の魅力だと思っています。どの時代に聴いても全部新譜のようで、すごく安心感のある世界観は本当に唯一無二で、本当に誰にも真似できない事だなと。

 特に「DANCER」は、僕が自分でDTMを少し理解し始めた時に出会った曲で、今でもその衝撃とワクワクは忘れられません。一聴した時の没入感というか、引き込まれる感覚というのは今でも僕の楽曲作る上で一番重要視している所だったりします。

 今でも霞む事なく世界中で聴かれている理由を音源からいつも教えてもらっている感じがします。そして同じ日本人としてとても誇りに思いますし、僕自身も恥の無いよういつか僕にもそう思って聴き続けてもらえるような楽曲が一曲でも増えるように、自分の音楽としっかり向き合っていきたいと思います。



JQ(ジェイキュー)
●シンガー・ソングライターであり、トータルプロデュースするNulbarichのヴォーカリスト。
2016年10月、1st ALBUM『Guess Who?』リリース。その後わずか2年で武道館ライヴを達成。即ソールドアウト。日本はもとよりSeoul、Taipei、Shanghaiなどのアジアでも多数のライヴを行う。
生演奏、またそれらをサンプリングし組み上げるという、ビートメーカー出身のJQらしいスタイルから生まれるグルーヴィーな音は、バイリンガルなヴォーカルと溶け合い、エモーショナルでポップなオリジナルサウンドへと昇華する。
「Null(何もない)」けど「Rich(満たされている)」。バンド名にも、そんなアンビバレントなスタイルへのJQの想いが込められている。

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Nulbarich
「Reach Out」

2023年5月17日リリース