2023年7月号|特集 山下達郎 RCA/AIR YEARS

第1回:エヂ・モッタ|Message to TATSURO from The World

スペシャル

2023.7.3

文/エヂ・モッタ


Q1 山下達郎の音楽を知ったきっかけは?

90年代の後半、和ジャズに熱狂していました。eBayで頻繁に取引をしていた出品者がミスター・ヤマシタの音楽を紹介してくれました。その出品者から『CIRCUS TOWN』と『SPACY』を購入して、ミスター・ヤマシタの音楽にとても感動しました。もうひとつ、彼の音楽を知るきっかけとなったのはニック・デカロのカヴァー・アルバム『LOVE STORM』でした。

Q2 山下達郎の音楽についての印象や感想を教えてください。

ソウル、ファンク、そしてハワイ・テイストをブレンドしたユニークなサウンドです。彼のコードチェンジからは、幸福感や生命力を感じます。彼のリズムギターは本当に特殊で、すごく難しいことなのですが、彼は演奏しながら歌っています。タツロー・サウンドは至宝です。数秒間聴くだけですぐミスター・ヤマシタの曲だと分かります。洗練されています。

Q3 RCA/AIR YEARSでお気に入りの作品は?

一番好きなアルバムは『RIDE ON TIME』で、一番好きな曲は「LOVE TALKIN'(Honey It's You)」です。『RIDE ON TIME』のあの巨大な帯を見て、デザインの素晴らしいアイデアに感動したのを覚えています。「LOVE TALKIN'(Honey It's You)」では完璧なリズムギターを披露しています。フェルマータ、リズム、間の感覚がとても素晴らしく、まるで黒人ミュージシャンのようにギターを演奏しています。

Q4 山下達郎にメッセージをどうぞ!

これからも美しい音楽を届けてください。リオデジャネイロから敬意とご多幸をお祈りします!



エヂ・モッタ(Ed Motta)
●1971年8月17日生まれ、ブラジル/リオデジャネイロ出身のミュージシャン。ブラジリアン・ファンクの大御所Tim Maiaを叔父に持ち、ロック、ブルース、ソウル、ファンク、ジャズ、クラシックと幼少時代から幅広い音楽に慣れ親しむことで音楽的な才能を開花、弱冠17歳にしてブラジルのWARNER MUSICよりリリースしたデビュー作『Ed Motta & Conexão Japeri』(1988)はMPBをベースにしたアーバン・ソウル〜ブギー・ファンクの名盤として高い評価を得ている。以降も創作意欲は衰えを知らず2023年までに13枚のスタジオアルバム、さらには数多くのサウンドトラックや舞台音楽を手がけるなどコンポーザー、プロデューサーとしても活躍し、Roy Ayers、Chucho Valdés、Bluey(Incognito)、坂本龍一、Patrice Rushen、Hubert Laws、Bernard Purdie、João Donato、Dom Salvador、Greg Phillinganesといった世界各国のアーティストともコラボレーションを行うなど、ブラジル国内および南米のみならず北米、ヨーロッパ、日本とワールドワイドに活動の幅を拡げている。近年では2013年に発表した『AOR』を筆頭に『Perpetual Gateways』(2016)、『Criterion Of The Senses』(2018)といった一連の作品で現在進行形のAOR〜アーバンメロウなサウンドを披露し新しい世代のリスナーも獲得、また膨大なレコードを所有するコレクターとしても知られていて、ブラジルのAOR、ブギー・ファンクのコンピレーション監修やシティポップにも造詣が深いところから日本国内のTV番組にコメントを寄せるなどミュージシャン以外の活動も幅広く行なっている。2023年10月に最新アルバム『Behind The Tea Chronicles』のリリースを予定している。

https://edmotta.com/
https://www.instagram.com/edmotta/


Ed Motta
『Behind The Tea Chronicles』

2023年10月20日発売