2023年6月号|特集 林哲司の50年

第5回:PORIN(Awesome City Club)|私の好きな林哲司

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コラム

2023.6.29

文/PORIN(Awesome City Club)


軽やかさだけではない熱い想い


 林哲司さんといえば、真っ先に思い浮かぶ言葉は、シティポップ。気付けば私たちAwesome City Clubもシティポップというジャンルにカテゴライズされていました。それが何なのか、当時のインタビューでも質問される場面が多々ありましたが、その言葉は、とても曖昧で答えのないものに感じていました。同じカテゴリーにいる他のアーティストの音楽性も様々で、自分達の楽曲でさえ方向性は多様。都会的で洗練されたものもあれば、AORや、エバーグリーンでロックな曲もある。でもいわゆるシティポップを象徴するナイアガラサウンドのものはないし……。シティポップの渦中にいる自分自身はなかなかピンとこないまま、活動していました。結局のところ、洋楽的要素のある音楽を、東京を中心に小洒落た若者が奏でる、その都会的でファッショナブルなムードそのものをみんなはシティポップと呼んでいるんだろうなと、その時の私は一旦結論付けました。

 林哲司さんにはそんな共通のキーワードを通じて、自分の中で勝手にシンパシーを感じ、私のソロ音楽活動のタイミングで楽曲制作のオファーをさせていただきました。ご快諾いただき、本家シティポップと10年代のシティポップのコラボレーションはとても面白くなりそうな予感がしていました。



PORIN(ポリン)
●2013年東京にて結成、メンバーの幅広いルーツを MIX した音楽性を持つAwesome City Club(オーサムシティクラブ)のメンバー。
2018年には自身がディレクターを務めるアパレルブランド「yarden」を立ち上げ、これまで年に2回ずつコレクションを発表。
2021年には、映画「花束みたいな恋をした」に本人役で出演し、映画のインスパイアソング「勿忘」をリリースすると各配信サイトで上位にランクインし続け、関連動画を含めると11億回を超える再生数に。
同年末には、第63回日本レコード大賞にて「優秀作品賞」を受賞。第72回NHK紅白歌合戦への初出場を果たした。
同年、2021年春よりソロプロジェクトPii(ピィ)を始動。
自身の原風景である花や植物の情景を楽曲テーマ・タイトルに、“懐かしくて、新しい” 楽曲を制作。作品ごとに敬愛するプロデューサーを迎え、「カキツバタ」「ヒノキノキ」「花明かり」までの3作品は正体を明かさずにリリースした。
2022年11月には、1st デジタルEP「春が呼んでる」をリリース。
2022年春からはドキュメンタリートークバラエティ番組「ドーナツトーク」にレギュラー出演中。2023年春より「パノラマ東京」が同番組エンディングテーマに起用。
時代と共に変化し続け、音楽を軸にバンド・個人共に活躍の場をさらに広げていく。

Pii
「パノラマ東京」

2023年4月26日リリース


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