2023年4月号|特集 大滝詠一 2023

【Part4】そして2023、『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』|大滝詠一ノヴェルティ/コミック・ソング・ストーリー

会員限定

解説

2023.4.26

文/小川真一


【Part3】からの続き)

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』の最大の目玉は、「ゆうがたフレンド(USEFUL SONG)」


 前回は、第一期ナイアガラ・レーベルの終焉、そして、偉大なる復活ともいえる’81年の名作『A LONG VACATION』、そしてこれに続く’84年の『EACH TIME』の大成功までの足取りを追ったが、その間も大滝詠一は忙しかった。CMを作り、ラジオ番組「ゴー・ゴー・ナイアガラ」の企画・選曲・出演をしたり、他のアーティストに楽曲を提供し、ずっと多忙だったのだ。

 ノヴェルティ関連の楽曲提供でいえば、’76年の「ホルモン小唄~元気でチャチャチャ」は欠かせない。もともとは、細野晴臣プロデュースによる小林旭のオリジナル・アルバム用に企画された曲で、星野哲郎の作詞、作曲は大瀧詠一、編曲は多羅尾伴内、さらにバックはティン・パン・アレイという強力な布陣だった。歌謡曲然としたマイナー・コードで始まり、途中から無理やりメジャーに転調し、「マムシ・にんにく・とうがらし」と精力のつく食品が連呼されるという超絶な構造。仕掛けに美空ひばりの「ロカビリー剣法」の一節が隠されていたり、発売されていれば、大滝ノヴェルティ・ソングの傑作として末永く語り継がれたと思う。がしかし、諸事情によりお蔵入りに。この名作が、今回の『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』によって、世に出たのは嬉しい限り。大滝詠一自身の歌唱もノリにノッていて実に素晴らしい。


『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』
2023年3月21日発売


 お蔵入りといえば、’79年にデモ・トラックが制作された「シーサイド音頭」は聞いてみたかった。この曲は、清水アキラ、アパッチけん、佐藤金造らによる芸人グループのザ・ハンダースのために企画されたもの。グループサウンズのザ・タイガース「シーサイド・バウンド」をパロディーにして音頭化したと言われている。同じ時期に、ハンダース用に「サーフィン音頭」のデモを録っているが、どちらも残念ながら企画そのものがボツになってしまう。



『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』
2023年3月21日発売
CD2枚組/SRCL-12450~12451 /3,960円(税込)
ご購入はこちら
https://smr.lnk.to/gqWKFI


『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK』
2023年4月26日発売
アナログレコード1枚組/SRJL-1150/4,290円(税込)
ご購入はこちら
https://smr.lnk.to/uRBreK

スペシャルサイトはこちら
https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/eiichiohtaki-nsb/


●2013年3月 未配信を含む大滝詠一の13タイトルがサブスク解禁!
アルバム同梱のブックレットは電子書籍にブックレットは電子書籍!!
https://www.sonymusic.co.jp/artist/EiichiOhtaki/info/550558

大滝詠一作品サブスクはこちらをチェック
https://smr.lnk.to/xHr6Gq