連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「ハイ・ファイ・セット / ラブ・コレクション」

2023.4.17

今月のお題

ハイ・ファイ・セット /ラブ・コレクション1977年


赤い鳥のメンバーだった山本潤子、山本俊彦、大川茂の3人によるコーラスグループの3作目。モーリス・アルバートの楽曲に日本語詞をつけて大ヒットした「フィーリング」の他、荒井由実の名曲「中央フリーウェイ」や「雨のステイション」のカヴァーが収められていることで知られる一枚。他にも躍動感に満ちた「オン・エニィ・サンデイ」、メロウなバラード「夜の傷」、ファンキーなリズムが印象的な「クリスタル・ナイト」など佳曲が揃っている。村上秀一、高水健司、松原正樹、深町純といったミュージシャンも豪華で、瀬尾一三がきらびやかなアレンジを施し、華麗なコーラスワークを引き立てている。

春が来た日には気持ちが浮きあがる 鳥や星座にたどり着くほど春が来た日には気持ちが浮きあがる 鳥や星座にたどり着くほど



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。